Q&A:トレードは、人に教えることができないようなものなの?

:プロディーラーのトレード(特にデイトレード)は極めて感覚的なものなのでしょうか。ある意味、人に教えることができないようなものなのでしょうか。

ある書籍に、元ディラーはいっさいの情報を遮断し、チャートも5分足のみ、ひたすら自分の感覚と相場の流れの同調を心掛けていたとコメントしていました。矢口先生からも、トレードは職人技との説明もありました。

巷では、いかにも聖杯があるかのように宣伝する書籍や投資学校が多いです。職人技でなければ、高額のサラリーはもらえませんね。

私は訓練なしに感覚が研ぎ澄まされることはないと考えています。

天才と呼ばれるスポーツ選手や、楽器演奏家は、おそらく天賦の才能に恵まれていると思います。しかし、大成した人たちは例外なく、普通の人には真似ができないような練習を積んでいます。それら天才的な人の才能とは、何かをこなす才能の方が大きいのか、継続する才能の方が大きいのか、どちらの比重が高いのかが分からないくらいです。

そして、そういった訓練を続けた背景は、指導者がいたか、教材や実践の場などがあり、自分で消化して練習を続けたかのどちらかです。つまり、「人に教えることができないようなもの」は、どこにもありません。もし、そう感じることがあるのなら、教える人の教え方や教材が悪い。私の教え方が未熟である可能性が高いのです。

どんなに努力しても、誰もがメダリストになれることはありません。とはいえ、楽しむためのスポーツや楽器演奏が誰にでもできるように、練習すれば上達するように、トレードで大きな損を出さないで、利益を積み上げることは、努力次第で誰にでもできることです。天賦の才の真似はできなくても、継続の真似はできるのです。そして、収益が安定してきます。

そういった自信がつくまでは、未だ訓練期間中だと自らを戒めて、少額での「転換点の見極め」に精を出して頂きたいと思います。どこかで、必ず、「こういうことか!」と納得される時が来ると思います。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。