為替介入の可能性は? 一国単独介入の成功確率は限りなくゼロに近い?

【著者】

次週以降の「政治決断」がマーケットの動意に?

マーケットの動意主体が「金融政策」から<>「財政政策」に視点が移りつつある中、本邦国会では熊本地震やその復興のための2016年度補正予算案が次週16日には衆院を通過し、17日の参院本会議で可決・成立する見通し。

先月28日の日銀会合でのよもやのゼロ回答を受け、“逆サプライズ”の風をモロに受けたドル/円相場は2014年10月以来の安値となる105.55円まで下落し、また昨日発表されたトヨタの2016年度3月期決算では5年前の東日本大震災の時以来となる4割の営業減益に。

そのトヨタの営業収益死守ラインとなる1ドル=115円の「トヨタライン」から7円以上も円高水準が昂進したこともあり、大いに危機感を抱いた麻生財相の為替介入発言が今週大きく取り上げられましたが、常識的に考えれば<>G7仙台(財相・中銀総裁会議)が次週開催される前段階で、また再来週<>G7伊勢志摩サミット開催を控えるこのタイミングで一国単独介入が奏功する確率は極めて低いと言わざるを得ません。

一方、安倍首相は先週のGW中に欧州歴訪を行い、その目的は26日からのG7伊勢志摩サミットにおいてG7各国協調財政出動のための地ならし会談であることは明らかですが、独メルケル・英キャメロン両首相に「軽くいなされた」と捉えてよさそう。

「財政黒字達成への執着度合は一種の“フェティシズム”」とも言われるドイツを説得するのは至難の業で、来るG7伊勢志摩サミットで通り一遍の結論で終わった場合は翌週30日からのマーケットではさらなる催促相場の展開となることも予想され、急激なリスク回避フローが起こるというバッド・シナリオを想定しておく必要があります。

一方で、G7伊勢志摩サミットで各国協調財政出動の合意とともに、それにタイミングを合わせた形での10兆円規模の追加補正予算日銀追加緩和が仮にあれば、これは“超ド級”のインパクトを市場に与える可能性もあり、これは言うまでもなくグッド・シナリオとなり得ます。

26-27日のG7伊勢志摩サミットを挟んで市場の空気や景色がガラリと変わることも想定に入れつつ、次週以降の「政治の出番」に大いに期待したいところです。

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津田 隆光|マネースクエア 市場調査部 チーフアナリスト

津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」ではコメンテーターを務める。