冴えない小売でポンド売り強まる

【著者】

昨日は欧州時間に発表された英国の小売売上が市場予想を大きく下回る結果となったことをきっかけにポンドが大きく売られ、その後は米国時間の新規失業保険申請件数が市場予想よりも強い結果となりドル買いが強まる展開となりました。この季節の新規失業保険申請件数は米国の自動車工場の一時閉鎖などでブレが出やすいため当てにならないデータであるためインパクトはそれほど大きくないと予想していましたが、ドル買い戻しの良いきっかけとなり思った以上に大きなインパクトとなりました。日を通してはこれまで堅調な推移となっていたポンドが大きく下落となり、その反動もあり、ユーロが堅調な推移となっています。また、原油価格も上値の重い状態が続き、カナダドル等の原油価格と連動性の強い通貨も上値の重い推移が続いています。

米国株式市場は冴えない決算発表や原油価格の下落を嫌気した売りに押され軟調な推移となり、米国債利回りも低下となったことはドルの上値を圧迫する材料となっています。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

ドル円(USD/JPY)は124円を挟んだ攻防を続け方向感の薄い推移となっています。米国時間の新規失業保険申請件数の発表後に強まったドル買いで前日に強いレジスタンスとなった124.15付近を一瞬上回る動きとなったものの、そこでは強い売りに頭を抑えられ上値の重い推移となりました。サポートとなったのは123.7付近となっており、本日は123.7と124.20少し余裕を持って)のどちらに抜けてくるかで方向感を探っていきたいところです。

usd jpy

ユーロドル(EUR/USD)は底堅い推移となり一時1.1台を回復する動きとなりました。米国の新規失業保険申請件数が市場予想よりも強い結果となったため一時下値を探る動きとなりましたが、1.095付近がサポートとなり折り返す動きとなっています。1.1を突破したところでは上値の重さが目立っており、1.102付近がレジスタンスとなっており、新規で入った短期の売りポジションのストップ買いがこの1.102を突破したところに溜まっている可能性があるため接近した際には注意が必要です。

eur usd

ユーロ円(EUR/JPY)は欧州時間に136円台を回復するとそのまま136円台を守りきり底堅い動きとなっています。7月13日の高値である137.80付近をネックラインとしたダブルボトムを形成しており、上抜けると140円台を視野に入れた上昇圧力が強まると考えられます。本日は昨日2度サポートとなった135.87付近を守れるかどうか、昨日の高値である136.44付近を突破できるかどうかで方向感を探っていきたいところです。

eur jpy

ポンドドルは底堅い推移を続けていましたが英国小売売上が市場予想に反しマイナスとなったことや米国の新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことによるドル買いなどで下値を切り下げる動きとなりました。また、対ユーロでの売りも重しとなり下値を探る動きが活発化しています。日足チャートでは高値圏とも言い切れませんが、前日の高値更新後、前日の安値を下回る水準でのクローズとなっているため、下方向への動きが活発化しそうな足が出現しているためここ数日は下落に注意が必要です。

gbp usd

豪ドルはアジア時間に底堅い推移となったものの米国時間に入ると下値を探る動きが活発化し0.73台中盤での推移となっています。この水準では下げ渋る動きが続いているため、あっさりと割り込むことは想定しにくいものの、最終防衛ラインと考えられる7月20日の安値である0.7328付近を割り込む動きとなると下落が加速する可能性が高まります。

aud usd

本日の注目材料

本日はアジア時間の中国の製造業PMI、欧州時間のユーロ圏のPMI、米国時間の新築住宅販売件数に注目が集まります。中国のPMIは発表直後は豪ドルなどの通貨にインパクトがある他、その後も市場全体のリスク地合いをに大きな影響を与える可能性もあるため注目です。ユーロ圏のPMIは良好な結果となれば単純に考えるとユーロ買いですが、リスクオンのユーロ売りとなる可能性もあるため判断の難しい材料となります。米国新築住宅販売件数は先行する住宅着工件数などが良好な結果となっているため期待が高まります。良好な結果となると今月の住宅関連の指標は総じて健全な状況となり、米国利上げ観測を後押しする材料となると考えられ、ドル高材料となります。
また、夏休みモード流動性の薄いなかでの週末ということもあり、ポジション調整などにも注意が必要になります。

本日の予定

07:45 NZ6月貿易収支 
08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況
10:45 中国7月HSBC製造業PMI(速報値)
16:00 仏7月製造業・サービス業PMI(速報値)
16:30 独7月製造業・サービス業PMI(速報値)
17:00 ユーロ圏7月総合・製造業・サービス業PMI(速報値)
22:45 米7月マークイット製造業PMI(速報値)
23:00 米6月新築住宅販売件数

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト