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【今週の見どころ】日米の金融政策、米国GDP

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先週からの流れ

先週は序盤は原油価格が底堅さを見せたこともあり、ややリスクオンの流れが強まり、資源国通貨の底堅さが目立つ動きとなりました。週末にかけては日銀がマイナス金利を金融機関の貸出金利に適用との報道を受けて、円売りが加速。テクニカル面で4月からのレンジを突破したことに加え、市場のポジションが円買いに傾いていたこともストップ買いを絡め、上昇を勢いづかせる要因となりました。
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日米の金融政策

今週は米国でFOMC、本邦では日銀の金融政策決定会合の発表が予定されています。

今回のFOMCでは議長の記者会見が予定されていないため声明文に注目が集まります。昨今の経済指標や世界経済の状況を見ても、タカ派色を強めるような状態ではないように感じられますが、それを決めるのはFOMCメンバーであるため、どちらの結果に対しても警戒が必要です。市場はタカ派色が強まることをそれほど想定していないことを考えると、タカ派となった方が、市場へのインパクトは大きいかもしれません。

日銀の金融政策決定会合では、先週末にマイナス金利の適用拡大の可能性が示されたこともあり、マイナス金利の拡大、資産購入規模、資産購入対象の拡大などへの期待が高まっています。直前までの期待感の膨らみにもよりますが、期待の高い状態で迎えてしまうと、期待外れとなった場合や材料出尽くし感による円買いというシナリオも十分に考えられます。

米国1-3月期GDP

今週は米国で13月期のGDPの発表が予定されています。先行する経済指標は冴えないものも多く、アトランタ連銀のGDP予測であるGDPNowでは0.3の成長まで低下しており、米国の利上げ期待を押し下げる要因の一つとなっています。

市場ではある程度弱い結果は予想しているため、多少弱い程度ではショックにはならないと考えられますが、前期比マイナスになるなど、ネガティブサプライズとなってしまうと、米国の利上げ観測が完全に遠のくことが想定され、ショックは大きいと考えられます。

豪1-3月期消費者物価指数

先週は後半に失速となったものの、豪ドルの底堅さが今年に入り、目立っています。投機筋の通貨先物のポジションを見ても豪ドルは買いポジションが優勢な状況となっています。

ファンダメンタルズ面では、米国の利上げ観測が後退し、RBAの利下げサイクルが一段落したことや、資源価格が反発に転じたことなどが材料と考えられます。

RBAの金融政策を探る上では、オーストラリアの消費者物価指数が重要です。冴えない結果となってしまうと追加利下げの可能性が意識され、それなりにインパクトが大きくなることが想定されるため、発表前後は注意が必要です。

先週の注目通貨ペアのその後

先週の注目通貨ペアに挙げたユーロ円(EUR/JPY)ですが、下落注意報は誤報に終わる結果となりました。

序盤から、材料としては原油市場や株式市場が底堅い推移となり、ドル円も底堅い推移となったことや、ECB理事会では上下動こそしたものの、ユーロ売りが強まるような内容とはならなかったこと、週末にかけての日銀マイナス金利適用拡大に関しての報道によるドル円の急騰など、材料に恵まれなかったことが挙げられますが、ここまで急な上昇になった要因の一つに、市場のポジションが円買いに傾きすぎていたという面が挙げられます。
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上の表は投機筋の通貨先物のポジションになりますが、円買いのポジションが直近で今年一番の量まで積み上がっていたのが確認できます。
(青い棒グラフがポジションの量。下に伸びていれば円買い、上に伸びていれば円売りとなります)
これらをしっかりと確認しておくと、大まかな市場のポジションの偏りを予測することでき、先週末の急騰を予測できたかもしれません。
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今週の注目通貨ペア

今週はカナダ円に注目したいと思います。

昨年終盤から上値下落が続き、1月には80円割れとなったものの、その後は下げ渋る動きが続いています。日足チャートを見ると、87.4付近が昨年8月にサポートとなった後、レジスタンスに変化し、上値を抑える動きが続いていました。しかし、先週末に、その87.4付近をしっかりと上抜ける動きとなりました。

サポートからレジスタンスに転じ、2回上値を抑えた重要な水準を上抜けてきたということもあり、トリプルボトムのような形を形成し、さらなる上昇に期待が持てそうな気配が漂っています。

ただし、先週末は日銀のマイナス金利適用範囲拡大の可能性が報じられ、ドル円(USD/JPY)が急騰したことやカナダの経済指標が市場予想を上回るなど、ニュースにつられて急騰となっため、調整が入りやすく、信頼度はやや低めかもしれませんが、このまま踏ん張ることができるかどうか、原油価格の動向や日銀の金融政策決定会合、米国イベントなどに揺さぶられ、難しい動きとなると思いますが、見守ってみたいと思います。

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OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様

佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト