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【今週の見どころ】米国雇用統計、イエレン議長の講演等

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先週からの流れ

先週はドルの買い戻しが強い週となりました。前週のFOMCが金利見通しが引き下げられるなどハト派的な内容となりドル売りが強まっていましたが、先週はFOMCメンバーから比較的タカ派なコメントが目立ったことでドル買いが強まる展開となりました。

週序盤にはベルギーの空港や地下鉄で爆発が発生したとの報道を受けて、ユーロやポンドといった欧州通貨に売りが強まる場面が見られました。内容が明らかになるにつれて市場は落ち着きを取り戻す動きとなりましたが、この事件が、英国のEU離脱リスクへの意識へ発展し、ポンドの上値を圧迫する材料となっています。

原油を始めとする資源価格は反発が続いていましたが、先週は反発が一段落し、調整が進む動きとなりました。それに併せるようにカナダドルや豪ドルといった資源国通貨は軟調な推移となりました。

また、イースター休暇突入ということもあり、終盤は閑散とした相場となりました。米国GDP改定値が上方修正となりましたが、参加者が少なかったこともあり、市場の反応は限定的なものに留まりました。
通貨強弱

米国経済指標、イエレン議長の講演

今週は米国で3月雇用統計、ISM製造業景況指数個人消費支出などの経済指標の発表が予定されているほか、イエレン議長の講演が予定されています。

雇用統計は前回、非農業部門雇用者数は良好な結果となりましたが、平均時給が伸びを欠いていたこともあり、ドルは伸び悩む動きとなりましたが、今回も非農業部門雇用者数変化の安定的な伸びに加え、平均時給が上昇しているかどうかに注目が集まります。

先行する新規失業保険申請件数は安定的な推移を続けているため、大崩れの可能性は低いと考えることができますが、サンプル調査の速報値であるため、思わぬ結果となる可能性も挙げられ、強弱双方の結果への警戒が必要です。

また、水曜日に発表となる前哨戦となるADP雇用統計の結果でも事前の期待度は変化することが想定されるため、結果と発表後の値動きに注目したいところです。

先週はFOMCメンバーのタカ派的なコメントがドル買いの材料となったことを考えると、今週のイエレン議長の講演でのコメントに対する反応が大きくなる可能性が挙げられます。ハト派と考えられているイエレン議長の口から、市場の想定以上の強気なコメントが飛び出すようであれば、ドルの下支え材料となりそうです。

その他個人消費支出では所得、消費の強弱に加え、PCEデフレータの結果にも注目が集まります。消費者物価指数に続き、PCEデフレータが底堅さを見せるようであれば、米国の追加利上げ観測が強まるといったシナリオも考えられます。

先週の注目通貨ペアのその後

先週の注目通貨ペアのポンド円(GBP/JPY)は方向感の薄い推移が続きました。序盤に下値を探る動きとなり、筆者が均衡が崩れると考えていた159.00をあっさりと割り込む動きとなりましたが、その後は盛り返す動きとなり、方向感の薄い推移を続ける推移となりました。

筆者の読みは外れてしまいましたが、外れた理由の一つに159.00を割り込んだ状況が挙げられます。

その水準を割り込んだのはベルギーのテロに関する報道をきっかけとした短時間の早い下落でした。前回のパリで発生したテロの時もそうでしたが、これらの報道による短期的なリスク回避の流れは長続きしないことが多いです。

そして、反発するとつられて売った人が慌てて買い戻す動きとなるため、戻りもそれなりに強くなることが多くなります。

今後、似たような状況が起きた時には、じっくりと観察してみるといいかもしれません。その後のトレードの参考になるかもしれません。

今後のポンド円は破られた安値を結んだラインがレジスタンスとなるかどうか、引き直したトレンドラインがサポートとなるかどうかにまずは注目したいところです。日足チャートでは安値を切り上げるダブルボトムのような形となっているため、ネックラインとなる164.10付近や昨年末からの下降トレンドラインを突破できると上方向の動きが強まりそうな形となっています。
ポンド円 日足

今週の注目通貨ペア 踏ん張れるか?AUD/JPY

今週の注目通貨ペアは豪ドル円(AUD/JPY)です。日銀のマイナス金利導入を受けて、高金利通貨に注目する方も多いと思います。今回は先進国の中でも金利の高めな豪ドルと円のペアに注目してみたいと思います。

まずは週足チャートで大きな流れを確認したいと思います。

週足チャートでは綺麗な下降チャネルをを形成し、緩やかな下落基調が続いているのか確認できます。現在、下降トレンドラインに接近したところで伸び悩む状況となっているのが確認でき、このラインを突破できるかどうかが下降トレンド継続の分かれ目となりそうな状態となっています。
豪ドル円 週足

少し拡大して日足チャートで見ると今年序盤から7986.36付近を中心としたレンジ推移が続いています。現在、レンジの上限に迫る動きが続いていますが、伸び悩む状態となっているのが確認できます。2回同じ水準で上値を阻まれていることもあり、この水準を上抜けたところにはストップ買いが溜まっていることが想定され、突破すると買いが強まりそうですが、伸び悩む状態が続くようであれば、失速し、再度下値を探りそうな可能性も十分にあると考えられます。

そのため、今週はこの水準をしっかりと突破できるかどうかに注目したいところです。上抜ける動きとなると、上昇に勢いが付き、週足での下降トレンドライン突破の可能性が高まり、上昇基調がさらに強まるかもしれません。
豪ドル円 日足

佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト