FXコラム

G20、ドル独歩高を容認

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FXコラム|2014/09/22

週末に行われたG20財務相・中央銀行総裁会議では、短期的な景気対策と中長期的な成長戦略を組み合わせ、世界経済を底上げする方針を確認した。

世界経済の減速に最も危機感を持っていたのは米国で、ルー米財務長官は「ユーロ圏と日本の成長は期待外れだ」と述べ、機動的に財政出動を行い、景気をてこ入れするよう繰り返し求めた。

もっとも、ユーロ圏と日本の成長が期待外れなのは、地政学的緊張の高まりと、米国やIMFが日欧に要求してきた消費税率引き上げなど、財政健全化によるものが大きい。例えば、ウクライナ問題は「欧州民族主義の台頭(http://money.minkabu.jp/46805)」でも述べたが、基本的には民族問題なので、対ロシア制裁などの干渉をやめれば、日欧の経済はその分だけでも上向きになる。

22日朝のテレビ東京モーニングサテライトのゲスト解説者は、東大日次物価指数を開発した渡辺教授だったが、消費税率引き上げ後の消費減、売上げ減は、1997年当時よりも深刻だと述べていた。増税は、事前からの当然の認識のように、景気悪化の要因であることが再度、証明された形だ。景気のテコ入れ、景気拡大による税収増には、消費税率引き下げが望ましいのだが、せめて、10%への再引き上げは思い直して貰いたいものだ。

今回のG20で特徴的なことは、為替レートについてほとんど触れられなかったことだ。先日のECBの金融緩和で、政策委員たちから「ユーロ安が目的」と明言されていたことを鑑みれば、事実上の「ドル高容認」だといえる。日本は円安誘導が目的だとは言っていないが、実際に円安になっていることを容認し、景気をてこ入れせよと催促されたことは、追加緩和にフリーハンドを得たことになる。

目先は、本邦投資家による期末の円買いで、ドル円の頭が重い可能性があるが、中長期的にはドル高円安が続く可能性が高いかと思う。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。