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地政学的リスク発生時の対応とトレード

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外国為替マーケット情報|2014/07/22 更新日:2014/07/23

先週の木曜日の深夜、突如マレーシア航空墜落の一方でマーケットに衝撃が走りました。
これが、事故ではなく何者かによる撃墜だったことから一気にリスクオンへと傾き株価は急落。
クロス円も急落する流れとなりました。

我々投資家としては、こういった危機的状況に対して、いかに柔軟に対応できるかが重要になります。
当コラムでも度々書いていますが、今回はファンダメンタルズ分析と大衆心理、大口のポジション動向とそのパターンを基に説明していきたいと思います。

残念なことに、こういったことは年初のアルゼンチンショックやウクライナ情勢不安など数カ月に1度の割合で起きてしまいますので、資金を守るために参考にしていただければと思います。

ヘッドラインにネガティブニュースが入ったその時は

まず前提となるのですが、前日水曜日ににロシア空軍が攻撃されたという事実がありました。
このことから、ユーロは既に売られ、ある程度ウクライナに関して警戒されていました。
そこで、マレーシア航空の墜落です。
ではまず、ヘッドラインが出た時点で、『墜落事故』か『撃墜された』かということになります。
ファーストアクションは正直どうしようもありません。
普段からロスカットを入れている人は、買ってたら、おとなしくロスカットされるまででしょう。
ここで、上記のニュースはまだ『不確定要素』が多いことが分かります。
「情報不足」は非常に投資家を不安にさせますので、、詳しい内容が出るまでは、ポジションクローズの動きが優勢となり、多くの金融商品は売られる可能性が高いでしょう。
そんななかでも、『有事の金』といわれるほどですから金や、有事の際に価格上昇となる原油価格、この2つに注目です。
恐らく、買われていることが多いでしょう。

そして、『撃墜』という真実が出れば、『不確定要素』が減ったことから一旦、一旦利食いが入りやすくなります。
ポイントは、ここで結構一気に戻ることが多いということです。そして、市場が敏感になっていることから、意外と荒れずにきれいなポイントでに止まることが多いのです。

木曜日は豪ドル円が特にキレイなチャートでした。やはりリスクオンということで、基本的には円買い優勢となります。
このネガティブサプライズを一気に織り込みにいくのでNYクローズまで基本下がりやすいでしょう。
つまり、戻り売りをしてくる市場参加者が非常に多くなるということです。
分かり易い投資家心理ですね。
前例はキプロスやボストンマラソンでのテロ事件になります。

通貨の選択

ここで通貨の選択をどれに絞るか、ということになります。
基本的に地政学的リスク発生時には安全資産である円とスイスフランが買われやすくなります。
そこで、クロス円を選択するということが挙げられるのですが、円買い〇売りということになりますので、どの通貨を売れば良いかということになります。
さて、原油が買われていることから、ポンドの下落は鈍くなるという想定ができます。
地域的にはウクライナということで、ロシアが関係していることからユーロが売られやすくなります。当日のユーロドルは、1.35の攻防戦を行っている最中ですでに売り込まれていましたが、基本的には日経平均先物は当然下落してしまうことから、ユーロ円という選択肢は良いのではないでしょうか。
リスクオフの際に売られやすい豪ドルとニュージーランドドルはどうでしょうか。
こちらも、ニュージーランドドルは当日すでに売り込まれていたことから、豪ドルの方が下値余地があると考えられます。

以上のことから、選択すべき通貨は「ドル円」、「ユーロ円」、「豪ドル円」が良いのではないかと考えられます。

無題

短期勢の利食い場を探る

さて、短期の投機家が大玉振って売ってるところが多いのですが、問題はこのポジションをどこで利食うかという問題になります。
基本的にはNYクローズ後から、日時処理(日本時間7時)までは横ばいになりやすいです。
もし、NY市場で急激に値を下げた場合は、日時処理の際に個人投資家の強制ロスカットが多発して、翌営業日開始と共に急落して始まることがあります。
そうすると、大半の場合はそこが大底になります。
前例は、ボストンマラソンや直近ではアルゼンチンショックの週明けの月曜日になります。

もしそうならなかった場合は、日本時間8時までも静かです。
何故かというと、オセアニア市場は非常に流動性が薄い為に、大玉を売り込んでいるファンドが利益確定をしてしまうと、市場が動いてしまう可能性があるため、ここでは「利食いたくても利食えない」のです。
さて、8時を過ぎれば流動性も出てくるので、ここから利食いが始まります。そして、一番で買い戻しの玉が入りやすいといわれているのが、9時の東京株式市場のオープンです。実際に、18日金曜日も9時~9時5分の安値からその後上がっています。
売る人がみんな売ってしまっていて、これ以上マーケットで売れないということとなのです。
しかし「航空機の撃墜」ですよ。という声もあるでしょう。
しかしながら、先に挙げた「ボストンマラソンテロ」でさえ、売りは一晩だったのです。もちろん、その後の波及はもちろんあるかもしれないですし、欧州市場でも蒸し返しも考えられます。
しかしながら、やはり売りが続くのはNY市場止まりとなることが多いのは、言葉は悪いのですが、「ウクライナ」という先進国ではなく経済大国でもありません。
ウクライナの問題は長く続くであろう深刻な問題ではありますが、マーケットとしては、今のところクリミアの独立で注目度のピークは終わってしまったからなのではないでしょうか。

豪ドル

川島寛貴|みんなの外為スタッフ

川島寛貴|みんなの外為スタッフ

みんなの株式の立ち上げ当初からプロデューサーとしてアライアンス業務を推進。みんなの外為、みんなの米国株、みんなのコモディティなど兄弟サイトの立ち上げも担当。通称「為替王子」