FXコラム

国の富を増やす貿易赤字?

【著者】

FXコラム|2014/04/22

2013年度の貿易収支が13兆7488億円の赤字と、3年連続で拡大、赤字額は1979年度以降で最大となった。輸出額は前年度比10.8%増の70兆8564億円、輸入額は17.3%増の84兆6053億円だった。

参照グラフ:日本の貿易収支(1950年~2013年)
trade

グラフは2013年暦年のものなので、ここから1月の貿易赤字2兆7950億円、2月の8025億円、3月の1兆4463億円と、5兆円を超える赤字が下に伸びていることになる。

この数値を受けて、「国の富損なう赤字、エネルギー政策転換迫るきっかけに」などというコメントの見出しを目にした。中身は読んでいない。というのは、貿易赤字が国の富を損なうとは言い古されたコメントで、そのコメントには中身がないことがほとんどだからだ。ましてや、エネルギー政策転換迫るきっかけになるとは思えない。

私の見方については、貿易赤字を含む経常赤字に関して述べているので、繰り返さない。
下記をご参照頂きたい。

参照:経常赤字の何が悪い? その6 結論
https://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/current-account-part6-conclusion/

貿易赤字が国富を失うという仮説が本当だとすれば、長年、貿易赤字を続けている米国は世界で最も貧しい国であることになる。ところが富に関する部分ならば、どこから見ても米国が圧倒的に世界一豊かであることは、あえて数値を挙げるまでもない。では、米国の貿易赤字はどの位の規模なのだろうか?

下の図は、赤字が定着した1976年以降のもので、左端の年代の隣が貿易収支だ。マイナスは赤字。右に行く順にそれぞれ、モノの貿易収支、サービス収支、輸出総額、モノの輸出総額、サービス輸出総額、輸入総額、モノの輸入総額、サービス輸入総額となっている。

ちなみに、左下2013年の貿易赤字は4748億6400ドル。
過去10年間くらいで見ると、やや少なめという数値だ。それでも102円60銭換算で、48兆7210億円となる。同じ2013暦年の日本の貿易赤字は11兆4684億円と過去最大だったが、その4倍以上もの赤字だ。これらを見ていると、「国の富を増やす貿易赤字」というコメントの方が説得力がありそうだ。

参照図:米国貿易収支(1976年~2013年)
trade-2

参照:U.S. Trade in Goods and Services 1960 through 2013
https://www.census.gov/foreign-trade/statistics/historical/gands.pdf

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。