FXコラム

米株式市場の取引量が減り、先物取引が増えた理由

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FXコラム|2014/07/08

米株式市場の取引量が減少している。全米全市場、月毎の1日平均取引量は金融危機時のピーク123億株から、この5月には58億株に低下した。場外取引もほぼ半減した。高速取引のシェアも2009年の61%から2013年以降は49%以下に低下している。高速取引のシェアはボラティリティが大きいと高まるので、7年来の低水準となったボラティリティの低下が原因と見られている。

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また、2007年以降、株式の売買を頻繁に行うアクティブ運用のファンドから資金が流出し、指数連動型のファンドや指数ETFに資金が流入していることも、取引高の減少に繋がっている。

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一方で、株式先物の取引量は2007年から2013年にかけて9倍に膨らんだ。また、オプション取引も急増している。

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これら5つのチャートからは以下のことが推測できる。

米株式市場は2009年2月に底を打ち、以降は上げ続けている。上昇トレンドが続くと、ボラティリティが下がるのはよく知られたところだ。ボラティリティが下がれば、トレーディングで出す利益より、保有で出す利益の方が容易になる。また、持っているだけで良いのなら、手数料の高いアクティブ運用ファンドより、指数連動型ファンドや指数ETFが優位になる。

一方で、保有残高が増えてくると、下落が恐くなってくる。先物、オプションでのヘッジが増え、それに伴って、トレーディング志向の投資家が先物、オプション市場に集まってきたというわけだ。
参照:Why trading volume is tumbling, explained in 5 charts
http://www.marketwatch.com/story/why-trading-volume-is-tumbling-explained-in-5-charts-2014-07-07(英語サイトです)

みんなの株式に掲載されている矢口氏のコラムご覧ください
http://money.minkabu.jp/author/auth_yaguchi
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http:/money.minkabu.jp/45617

[GMO]

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。