FXコラム

株高に乗り遅れる米個人投資家たち

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外国為替マーケット情報|2014/07/03

米メディアで、「株式市場が最高値を更新しているのに、どうして、あなたはまだ貧しいの?」とのコラムを目にした。

近年、米国を苦しめている問題、家計収入の減少や、ガソリンなど多くの生活必需品の値上がり、教育費など不可欠なサービス価格の高騰、ほぼゼロに近い貯蓄金利などといった問題が、一向に解決されないためだ。

参照:Dow flirts with 17,000, but most people missed the ride
http://www.marketwatch.com/story/the-market-is-up-170-since-2009-but-are-you-2014-03-07?dist=tbeforebell (英語サイトです)

7月2日の米市場は、民間雇用者数の増加を受けて、ドルが上昇、ダウ、S&P500株指数ともに、連日で史上最高値を更新した。米株価が底を打ったのは2009年3月だから、上昇相場はかれこれ5年4カ月にもなる。ところが、今に至っても多くの個人投資家は株式を買えていないという。

これまで買えてない理由は、株価と景気や企業業績を結びつけてきたためだ。2009年、2010年、2011年の米景気は、リーマンショックに伴う未曾有の金融危機を受けて、最悪期だといえた。S&P500株指数は2009年3月始めに680ドルを下回るが、株価が景気に連動するのなら、そのまま500ドル、350ドルと値を下げてもよかった。ところが、終値での最安値は3月9日の676.53ドル。以降は上げ続け、2000ドルが目前となっている。

参照チャート:S&P500株指数(2004年6月~2014年6月)
S&P

上げた理由は金融緩和による大量の資金供給だ。カネ余りによって、商品、債券、株式、不動産とすべて値を上げることになった。新規住宅販売価格は2011年が底となった。

株価だけでなく、住宅価格も上げ始めると、さすがに株高に乗り遅れたと感じる人が出てくる。投資信託の投資家は、2012年10月以降、債券売り、株式買いに転じた。今、米国債を支えているのは、米連銀に加え、ほぼゼロの短期金利で調達し、2%台の中長期金利で運用できる、銀行のような投資家だ。銀行はそれほど株のリスクを取れないことも影響している。

それでも、多くの個人投資家はまだ株を買えていない。1つには、2013年初めにS&Pがサブプライムショック前の高値を更新した頃から、識者たちが高値警戒感を持ち出したためだ。面白いのは、彼らは安値でも買わせず、サブプライム、リーマンショック以降は、株価が下げても上げても弱気なことだ。今も多くの識者たちは米株に弱気だ。

私は量的緩和以降、ずっと強気。まだ強気だ。書き出しの米国の状況はそのまま日本の状況だともいえる。これまでの日本の個人投資家は大筋で米個人投資家と同じ轍を踏んでいる。上げ始めてから約1年と8カ月、それでは後、3、4年は弱気でいるのだろうか? そういう人たちは、米株と同じように、日本株が最高値を更新しても、まだ弱気なのだろうか。

ドル円も同じだ。中長期的な円安トレンドの可能性が高い。もっとも、プロのディーラーはそんな中長期的なトレードは行わない。それについては機会を改めて。

みんなの株式に掲載されている矢口氏のコラムご覧ください
http://money.minkabu.jp/author/auth_yaguchi
最新記事:2014/6/30 「年金制度の破綻を防ぐには、、、、」
http:/money.minkabu.jp/45617

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。