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ウクライナ大統領選挙は想定の範囲内の結果だったが

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外国為替マーケット情報|2014/05/26

欧州議会選挙結果は中長期的にユーロ売り材料になる可能性

週末には、欧州各国で様々な選挙が行われました。

日本での報道が一番多いウクライナの大統領選挙では、大方の予想通り実業家の「チョコレート王」ポロシェンコ氏が過半数の得票を得た模様で、すでに勝利宣言を行いました。
東部地区では親ロシア派と言われる人々の妨害もあって投票ができなかった地区が多かったようですが、曲がりなりにも全国的に投票が行われた結果なので、大きな混乱にはつながらないと考えられます。

問題はこの選挙結果に対してロシアがどんな対応を取るかという点と、親EU派のポロシェンコ氏が親ロシア派に対してどんな態度で臨むか、という点です。いずれの点も今すぐに動きがあるのではなく、今日から数週間かけて方向性が見えてくるのではないでしょうか。

ウクライナ以上に影響がありそうなのが、EU加盟国で先週中から行われていた欧州議会選挙です。予想されていたことではありましたが、反EU勢力の躍進が現実のものとなっています。

推計では、中道右派勢力が751議席のうち211議席を確保して最大勢力の座を守りました。また中道左派系勢力も193議席を確保して第2位の立場を維持しています。上位2勢力で751議席中404議席と今まで通り過半数(53.8%)を確保しています。ただ、前回の選挙では736議席中449議席(61%)を確保していましたので、勢力を落としています。

注目された反EU勢力ですが、前回の選挙で3議席を獲得していたフランスの極右政党、国民戦線は今回の選挙では25%余りの得票でフランス第一党となり、25議席を得る見通しです。国民戦線は現在国会では577議席のうちの2議席しか得ていないことから、今後解散総選挙を求めるとしています。

EUからの脱退を目指している英国独立党は、2大政党の保守党、労働党を抑えて30%弱の得票で18議席を確保する見通しとなっています。

ギリシャでは急進左派連合が第一党となるほか、極右政党、黄金の夜明けが初めて議席を獲得する見通しです。

またドイツでも反EUの「ドイツのための選択肢」が議席を得る見通しになっています。

このように反EUと言っても極右から極左まで反EUという以外にはバラバラな勢力ではありますが、これまで欧州の統合を目指して歩んできた欧州議会の中で、無視できない数のEUに懐疑的な勢力が議席を得るという事態に、今後欧州で何等かの危機が起きた時の対応力などへの懸念が出ることが考えられます。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト