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米国利上げ観測後退、本日の消費者物価指数にも注目

【著者】

昨日からの流れ

昨日は米国時間に発表された米国小売売上、生産者物価指数が市場予想を下回る結果となったことで米国の年内利上げ観測が後退となり、ドル売りが進む展開となり、ドル円は119円を割り込む推移となり、ユーロドルは1.14台後半での推移しています。米国株式市場はウォルマートの業績見通し下方修正や冴えない小売売上の結果が嫌気され、軟調な推移となっています。

欧州時間に発表された英国の雇用統計では賃金の上昇率は市場予想に届かなかったものの、失業率が低下したことが評価され、ポンドドルは前日の下落分を取り戻し、米国時間のドル安にもサポートされ、1.55に迫る動きとなっています。

主要通貨ペアの推移(2015/10/15)

USDJPY

ドル円は上値の重い推移となり、サポートとなっていた119.50付近を割り込み下値を探る動きが活発化となり、118円台中盤まで押し込まれる動きとなっています。8月終盤から続いていたレンジである118.60121.75付近のレンジの下辺を試す動きとなっています。
キリの良いところで118.50付近をしっかりと割り込む動きとなると、さらに下落圧力が強まる可能性があるため注意が必要です。

ドル円

EURUSD

ユーロドルは弱いドルに押し上げられ、1.14台後半まで上昇する動きとなっています。8月24日の大きなショートスクイーズ発生時以外は今年に入り、1.15に迫るこの水準では上値が詰まる動きとなっているため、しっかりと1.15を上抜けることができるかどうかに注目が集まります。
うわ抜けるようであれば、さらなる上昇余地が生まれ、8月24日の高値である1.17付近が意識されると考えられます。また、この水準では過去にECB関係者からのユーロ高を牽制するようなコメントが出ているため、ここ数日のECB要人のコメント機会には注意が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円はドル中心の動きとなったため、ユーロドルとドル円の綱引き状態で方向感の薄い推移となっています。本日は今週のレンジである136.00136.60付近をどちらに抜けるかで、まずは方向感を探っていきたいところです。
日足チャートではしっかりと137.00付近を上抜ける動きとなると保ち合い上抜けとなり、上方向への動きが活発化する可能性が考えられます。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは英国雇用統計発表前から買いが強まり、発表後に上昇、前日の消費者物価指数後の下落分を埋める動きとなり、ストップ買いも絡めながら上昇を強め、1.55に迫る動きとなりました。本日は節目の1.54、さらには昨日までのレジスタンスであった1.538付近をしっかりと守ることができるかどうかに注目が集まります。
日足チャートでは8月25日と9月18日の高値を結んだトレンドラインに接近する動きとなり、さらに上昇するとストップ買いを絡め、上昇基調が強まることが予想される反面で、昨日、短期的に頑張りすぎた分の調整が進み、反落となる可能性も十分に考えられる状態と考えられます。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは0.72付近で下げ渋った後、底堅い推移となり、0.73台を回復する動きとなっています。本日は先ほど発表された豪雇用統計が冴えない結果となったことで、下落からのスタートとなっています。まずは節目の0.73台を守ることができるかどうかに注目が集まります。上方向は日足チャートで引き直したトレンドラインに接近したとろで押し戻される動きとなっているため、このラインを突破できるかどうかを確認したいところです。

市場では依然として豪ドル売りにポジションが偏っていることが想定されるため、上値を探り出すとショートスクイーズ状態となり、上値を探る動きが活発化する可能性があります。

豪ドル

本日の注目材料

本日はアジア時間に豪9月雇用統計に注目が集まります。直近では底堅さを見せている豪ドルですが、雇用の弱さが目立つようであればRBAの追加利下げが意識され、豪ドル売り再燃というシナリオも想定されるため、注意が必要です。
逆に良好な結果となると、溜まった売りポジションが絞り出され、さらなる上昇となる可能性も考えられます。いずれにせよ発表前後は上下に振れる可能性があるため、豪ドル絡みの通過ペアの動きには注意が必要です。

米国時間には米国の9月消費者物価指数、NY連銀製造業景況指数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数などの製造業関連の経済指標に加え、ダドリーNY連銀総裁等のコメント機会が予定さいるほか引き続き、米国では決算発表が粒ぞろいのラインナップとなっています。
注目度が高いのは、米国の消費者物価指数で、昨日の生産者物価指数に続き弱い結果となると米国の年内利上げ観測が後退し、ドル売りが強まることが想定されます。

そして、ダドリーNY連銀総裁の冴えない雇用統計への評価にも注目が集まります。市場の想定以上にハト派的なコメントが飛び出すとドル売りに拍車をかけるかもしれません。また、製造業関連の経済指標も前月よりも悪化しているようであれば、次回のISM製造業景況指数の50割れが意識されドルの上値を圧迫する材料の一つになる可能性があります。

また、ECB関係者のコメント機会も予定されており、ユーロ高牽制、追加緩和を匂わすコメントなどにも注意が必要です。以前にもユーロが同水準の時に牽制するようなコメントが出てくるかもしれません。

本日の予定

09:30 豪9月雇用統計
10:15 コンスタンシオECB副総裁講演
13:30 日8月第3次産業活動指数
13:30 日8月鉱工業生産(確報値)
16:00 ノボトニー・オーストリア中銀総裁講演
18:30 ハンソン・エストニア中銀総裁講演
20:30 ゴールドマン・サックス79月期決算発表
21:00 シティグループ79月期決算発表
21:30 米9月消費者物価指数
21:30 米10月NY連銀製造業景況指数
21:30 米新規失業保険申請件数
23:00 米10月フィラデルフィア連銀製造業指数
23:30 ブラード米セントルイス連銀総裁(投票権なし)コメント機会
23:30 ダドリーNY連銀総裁(投票権あり)講演
翌0:00 米週間原油在庫
翌2:00 ノボトニー・オーストリア中銀総裁講演
翌5:30 メスター米クリーブランド連銀総裁(投票権なし)コメント機会

06:45 NZ79月期消費者物価指数

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト