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強い小売も伸び悩む米ドル

【著者】

昨日はアジア時間に本邦政府筋から前日の黒田総裁のコメントは政府の見解ではないということが報じられたことがきっかけでドル円が反発に転じる動きとなった後、米国時間に発表された米国小売売上が市場予想を上回り、新規失業保険申請件数も引き続き安定推移となったことが確認されるとドル買いが強まったものの、米国債に押し目買いが入ったことや30年債の入札が好調な結果となったことから米国債利回りが低下し、またドル円での利食い売りが入ったことなどからドルの伸びは圧迫され、伸び悩む推移となりました。

不安定な推移が続くドイツ10年債利回りは欧州時間に再び1を超える動きとなったものの、その後は押し戻され、落ち着きを取り戻し、ユーロの上値は重くなり始めています。

NYダウ

主要通貨ペアの推移

ドル円は米国小売売上発表までは堅調な推移となり、発表直後に124円台を一瞬回復後は上値の重い推移となっています。長めな上ヒゲを残してしまっているため、本日も上値の重い状態が続くことが予想されますが、下がったところでは買いが入ってくることが想定され、方向感を探る動きが続くことが予想されます。サポート候補としては、昨日のNY時間のサポートとなった123.25付近、一昨日のサポートである122.45付近、最終防衛ラインは122.00などが挙げられます。

ドル円

ユーロドルは米国時間序盤までは下値を探る動きとなったものの下げ渋る動きとなり、引き続き方向感の薄い状態が続いています。本日も欧州時間以降の独債利回りを中心とする債券市場の動向に注目が集まります。保ち合い状態をどちらに抜け出すかをしっかりと見守りたいところです。

ユーロドル

ユーロ円は下値を探る動きとなるものの、138円台中盤では底堅さを見せ、下げ渋る動きとなっており、反発の可能性も強まってきました。
本日は昨日のレンジである138.58-139.61のどちらに抜け出すかに注目したいところです。

ユーロ円

ポンドドルはドル買いが強まる場面でも踏ん張り、底堅さを見せ、1.55台を奪回する動きとなりました。本日は一昨日のレジスタンスとなった1.555を突破できるかどうかに注目したいところです。このラインを抜け出せないようであれば、再び下値を探る動きが活発化する可能性も考えられます。

ポンドドル

豪ドルはアジア時間の豪、中国の経済指標が比較的良好な結果となったこともあり底堅い動きとなったものの、その後は伸び悩む動きとなっています。しっかりと0.78台に乗せ、6月3日の高値である0.782付近を突破するとダブルボトムのネックライン上抜けとなり、上昇圧力が強まると考えられ、0.8台も視野に入れた上昇に転じる可能性が高まります。

豪ドル

本日の注目材料

本日は欧州時間にユーロ圏の鉱工業生産、米国時間には生産者物価指数、ミシガン大消費者信頼感指数の速報値の発表が予定されています。生産者物価指数は消費者物価指数の先行指標として、注目されます。

原油価格の下落が一段落していることなどはサポート材料となり、強い結果となるとドルの下支え材料の一つとなります。伸び悩みを見せているミシガン大消費者信頼感指数の速報値は最新の消費者マインドを知る上で重要な経済指標であり、強い結果となると昨日の小売売上と併せ消費の底堅さを意識させ、9月利上げへの期待を押し上げると考えられます。

本日の予定

07:30 NZ5月企業景況感(PMI)
13:30 日4月鉱工業生産(確報値)
13:30 日4月第3次産業活動指数
18:00 ユーロ圏4月鉱工業生産
18:00 マカファーティ英MPC委員講演内容公表
21:30 米5月生産者物価指数
23:00 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト