米GDPは9月利上げ観測の可能性残す

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昨日は米国時間に米国のGDPの発表が行われました。結果は46月期が市場予想を下回る結果となったものの、前回分が0.2から+0.6まで上方修正されたこともあり、均すと悪い結果ではなかったこともあり、ドル買いが進む展開となりました。ただし、9月利上げ観測を押し上げるほど良いという結果ではなく、9月利上げの可能性は残ったという状態と考えられ、ドル買いが長く続くほどの材料とはならず、軟調な株式市場にも足を引っ張られる状態となり、米国債利回りも伸び悩む状態となり、ドルの伸びは限定的なものとなっています。

ユーロはドル買いの流れに押され、一時1.09を割り込むところまで押し込まれましたが、米国時間午後にかけては盛り返し、1.09台中盤での推移となっています。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

ドル円(USD/JPY)は米国GDPを前にジリジリと上昇を続けた後、GDPの結果を受けて上昇後は上値の重い動きとなり、124.60手前で失速する動きとなりました。6月中旬以降上値を抑えていた124.50付近を一瞬上回る場面が2度ありましたが、長居することはできず、すぐに押し戻される動きとなっています。黒田総裁の「実質実効為替レートコメント」水準が市場では意識されているのか、このゾーンを抜けるのにはそれなりの力が必要です。今回の上値が詰まったラインの上には、さらにストップ買いが溜まっていることが予想されるため、次回接近した際は注意が必要です。

usd jpy

ユーロドル(EUR/USD)は上値の重い推移が続いた後、米国GDPの結果を受けてさらに下値を探る動きが活発化し一時1.09を割り込むところまで押し込まれる動きとなった後は米国時間後半は盛り返し、1.09台中盤まで戻す動きとなっています。本日はGDP前にサポートとなっていた1.0945付近がレジスタンスとなっているため、この水準を突破できるかどうかに注目が集まります。サポートは昨日のサポートとなった引き続き、1.089が意識され、また、大きな流れでは1.08が5月からサポートとなっているため、割り込むと本格的に下落モードが再開する可能性が高まります。

eur usd

ユーロ円(EUR/JPY)はアジア時間のサポートとなっていた135.90付近をNY時間に割り込むと下落が強まり、135円台中盤まで押し込まれる動きとなっています。その後の戻りも135.90付近で失速しているため本日はこのラインを突破できるかどうかに注目が集まります。サポート候補は昨日のサポートとなった135.55付近ですが、余裕を持ってキリの良い135.50付近まで想定しておいてもいいと考えられます。どちらに抜けるかで方向感を探っていきたいところです。

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ポンドドルは欧州時間に底堅い推移となった後、米国時間に入ると失速、その後は1.56を挟んだ攻防を続けています。昨日のNY時間から1.5591.561での推移となっているため、このどちらに抜け出すかで方向感を探っていきたいところです。大きな流れでは7月29日の高値である1.569付近、節目の1.57を突破できれば上昇トレンド継続、伸び悩む動きが続き7月8日のサポートである1.5467を割り込むようであればダブルトップのネックライン割れ状態となり下落圧力が強まると考えられます。

gbp usd

豪ドルは欧州時間に大きく下落したものの、米国時間に入ると底堅い動きとなり、アジア時間序盤には0.73を一瞬回復する動きとなりました。日足チャートでは上下にヒゲを残す形となり、方向感が定まらない状況となっているため、0.73をしっかり上抜けるか、昨日のサポートとなった0.7255付近を守れるかどうかで方向感を探っていきたいところです。

aud usd

本日の注目材料

本日は米国時間に欧州時間のユーロ圏消費者物価指数、米国時間の雇用コスト指数、シカゴPMIなどに注目が集まります。ユーロ圏の消費者物価指数で強い結果が出てしまうとユーロ買い戻しが活発化する可能性があるため注意が必要です。

雇用コスト指数で強い結果となると利上げ期待に勢いがつきやすいものの、弱い結果となってしまうと短期的にドル売りが強まるキッカケとなってしまう可能性があるため注意が必要です。また、シカゴPMIも50台を回復できるかどうかに注目したいところです。ブレの出やすい経済指標だけにポジティブ、ネガティブともに警戒したいところです。また、週末に中国の製造業PMIの発表が予定されているため、豪ドル等の中国の経済指標の影響を受けやすい通貨ペアを週をまたいで保有する際はポジション量の調整等リスク管理をしっかり行うことをお勧めします。

本日の予定

08:05 英7月GfK消費者信頼感
08:30 日6月全国消費者物価指数
08:30 日6月失業率
10:00 NZ7月ANZ企業信頼感
10:30 豪46月期生産者物価指数
18:00 ユーロ圏6月失業率
18:00 ユーロ圏7月消費者物価指数(速報値)
21:30 米46月期雇用コスト指数
21:30 加5月GDP
22:45 米7月シカゴ購買部協会景気指数
23:00 米7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
明日
10:00 中国7月製造業PMI・非製造業PMI

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト