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揺れる独債、米国小売売上に注目

【著者】

昨晩の概況

昨日は材料の薄いなか、ドイツ国債利回りの上昇を受けユーロが上昇する場面がまた見られ、さらには強い鉱工業生産にサポートされたポンドの強さが目立つ動きとなりました。またユーロの買い戻しやポンドの上昇、原油価格が底堅い動きとなっていることなどもありカナダドルなど資源国通貨も底堅さを見せたことからドルの上値は重い状態が続いています。

不安定な独債の動きからの波及もあり各国の債権利回りの上昇が市場では話題になっており、今後はしばらく債券市場の動向に過敏な状態が続く可能性が高くなってきています。今のところは単なるECB緩和トレードの巻き戻しの範囲内と言えますが、エスカレートするとさらに市場を混乱へと導く可能性があるため警戒したいところです。

債権利回りの上昇を嫌気して株式市場は軟調な推移となっています。歯車が狂うとさらなる下落となりリスクオフ地合いの強い状態に陥る可能性もあるため、今後の株式市場の動きにも注意が必要です。

【主要通貨ペアの推移】

ドル円は120円を挟んだ攻防を続けていましたが、NY時間にはジリジリと下押しする動きとなり、119円台後半での推移となっています。引き続き方向感の薄い状態が続き狭いレンジでの推移となっているため上下どちらかに抜けるまでは様子をみたいところです。

ドル円

ユーロドルは欧州時間にドイツ国債の利回り上昇に併せて反発が強まり1.128付近まで上昇するもその後は失速し、1.12台での推移が続いています。本日は方向感の薄いなか、ユーロ圏各国のGDPの速報値、ユーロ圏の鉱工業生産、米国の小売売上とイベントが多いため、一喜一憂相場となる可能性が高いと考えられます。まずは方向感を見極めるためにも先週末からのレンジである1.1131.13をどちらに抜けていくかに注目したいところです。

ユーロドル

ユーロ円は欧州序盤までは底堅い推移となり135円台中盤まで上値を伸ばす動きとなったものの、その後は失速となり134円台中盤まで押し戻される動きとなっています。日足チャートでは長めな上ヒゲを残しているため本日も上値の重さは残ると考えられます。ただし、133136付近のレンジを抜けるまでは方向感の薄い状況は続く可能性が高いと思われます。

ユーロ円

ポンドドルは良好な鉱工業生産の結果を受けて昨日も上値を伸ばす動きとなりました。発表後の戻しも限定的であったことから上昇地合いがまだ続く可能性が高いと考えられますが、本日は英国雇用統計、BOEインフレレポートと大きなイベントを控えており、内容次第では流れを変えてしまう可能性もあるため注意したいところです。

ポンドドル

豪ドルはアジア時間から欧州時間にかけて堅調な推移となり0.8まで上値を伸ばす動きとなっています。本日は、昨日のレジスタンスとなった節目の0.8をしっかりと上抜けることができるかどうかに注目したいところです。上抜けたところには多少ストップ買いが溜まっていることが想定され、短期的に上昇が強まる可能性があるため接近した際には警戒が必要です。サポート候補は昨日のNY時間にサポートとなった0.795付近で割り込むと下方向への動きが加速する可能性があります。

豪ドル

【本日の注目材料】

本日はアジア時間に中国の鉱工業生産等の経済指標、欧州時間にはユーロ圏各国のGDPの速報値、英国雇用統計、BOEインフレレポート、米国時間に入ると米国小売売上とイベント盛りだくさんの一日となります。中国の経済指標はオセアニア通貨を中心に発表後のインパクトがあるのに加え、弱い結果となり景気減速懸念が強まると市場全体のリスクオフ地合いが強まるきっかけとなる可能性も考えられます。

ユーロ圏のGDPはドイツを中心に緩和効果、原油価格下落、ユーロ安などを背景に比較的強めな結果となる可能性があり、ユーロをサポートするかもしれません。また英国の雇用統計は賃金の上昇率に注目が集まり、BOEのインフレレポートとともに絶好調モードのポンドに大きなインパクトを与える可能性が考えられます。

米国小売売上は米国の利上げ開始時期を探る上でも今週のメインイベントと考えられます。前回よりも伸び率低下と控えめな予想となっていることもありポジティブサプライズにも警戒が必要です。ここのところ対円は除いてドル買いの調整が進んだこともあり、ポジティブな結果となるとドル反発の突破口となる可能性も十分に考えられます。

また引き続き不安定な推移を続けるドイツ国債をはじめとする債券市場の動向、さらには株式市場への波及にも警戒が必要です。

【本日の予定】

08:50 日3月国際収支
14:00 日4月景気ウォッチャー調査
14:30 中国4月小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資
14:30 仏13月期GDP(速報値)
15:00 独13月期GDP(速報値)
15:00 独4月消費者物価指数(確報値)
17:00 伊13月期GDP(速報値)
17:30 英4月雇用統計
18:00 ユーロ圏13月期GDP(速報値)
18:00 ユーロ圏3月鉱工業生産
18:30 イングランド銀行金融政策委員会(MPC)四半期インフレ報告
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
21:30 米4月小売売上高
21:30 米4月輸入物価指数
23:00 米3月企業在庫
23:30 米週間原油在庫
翌2:00 米10年債入札

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト