今夜は雇用統計、賃金の上昇率に注目

【著者】

昨晩の概況

昨日はECB理事会後のドラギ総裁の会見に市場の注目が集まりました。会見では国債購入への言及、サプライズ追加措置などへの期待が膨らんでいましたが、結果はインフレ見通しの下方修正こそあったものの、追加措置は行われず、国債購入への言及が行われなかったことからユーロ売りで構えていた市場は失望状態となりユーロ買いが進む展開となりました。
しかし、その後、ドラギ総裁の会見後のユーロ急騰を見て慌てたのか、ECBから来年1月の会合に向け資産購入プログラムの拡大の準備との報道を受けユーロが反落する動きとなりました。

また、ユーロの上下動のどさくさに紛れてドル円は120円台に乗せる動きとなりましたが、120円台では利食い需要も多く、119円台前半まで押し戻されるなど不安定な推移となっています。
米国株式市場は序盤は上値の重い推移となったものの中盤には持ち直し、若干のマイナスで取引を終えています。底堅い推移となり始めていた米国債利回りは軟調な動きとなりドルの上値を圧迫する推移となっています。

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【主要通貨ペアの推移】

ドル円は120円台に乗せる動きとなったものの利食いに押し戻される動きとなり日足チャートでは十字線が出現しトレンド転換の兆しが出てきました。しかし本日は米国雇用統計ということもあり、結果次第では大きく上下に振れる可能性があることから、信頼度は薄めと考えられます。
ただし、事前の経済指標から大崩れは想定しにくく、期待度は低くはないと考えられることから中途半端な結果となった場合には利食いが先行する可能性もあることには注意したいところです。

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ユーロドルはドラギ総裁の会見を経て、乱高下する動きとなりました。本日は長い上髭を残していることから上値も重くなる可能性が考えられますが、雇用統計の結果次第でどちらにも動く余地はあると思われます。昨日の高値である1.2456付近を上抜けるような動きとなるとさらにショートポジションが絞り出され上値を追う動きが活発化する可能性もあり、上昇時には注意したい水準です。

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ユーロ円はドラギ総裁の会見で揺さぶられたものの149円手前まで上値を伸ばす動きとなりました。本日は11月20日の高値である149.13を上抜けることができるかどうかに注目したいところです。

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ポンドドルは対ユーロでも大きくポンドが売り込まれたこともあり軟調な推移となっています。意識されやすいのは日足チャートで、3回サポートしている1.559付近でこのラインを割り込むと、ストップ売りを巻き込み短期的に下落が加速する可能性があるため注意したいところです。

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豪ドルは引き続き上値の重さが目立つ推移となっています。アジア時間に発表された小売売上は良好な結果となり上昇するも上昇分をすぐに吐き出してしまうような弱い推移となっています。また、来年序盤の利下げ観測も浮上していることも、上値を重くしている要因の一つとなっているようです。安値のターゲットとしては2010年の7月の安値である0.8315付近が意識され、割り込むと同年5月から6月の安値水準である0.81を少し割り込む辺りまでの下落余地が生まれてきます。

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【本日の注目材料】

本日は米国の雇用統計に注目が集まります。先行するADP雇用統計は市場予想は下回ったものの20万人増加はキープし安定感を示し、週間の新規失業保険申請件数も安定推移、ベージュブックでは雇用改善の報告と弱い結果が想定しにくい材料が並ぶなか、ISMの非製造業景況指数の雇用指数は低下と不安材料も混在している状態となっており、予想は困難な状況となっています。

今回の雇用統計でも、非農業部門雇用者数に加え賃金の上昇率への注目が高まっています。もはや市場では非農業部門雇用者数は20万を超えて当たり前、賃金の上昇はあるのか?という状態となっていることから、非農業部門が20万を下回る、賃金の上昇率が低いということになると現在市場ではドル買いポジションに大きく傾いている状態であることから失望となった際にはインパクトが大きくドル売りが加速する可能性には注意したいところです。

【本日の予定】

16:00 独10月製造業受注
18:00 ノボトニー・オーストリア中銀総裁、オーストリアの成長見し通公表
19:00 ユーロ圏7-9月期GDP(改定値)
22:15 ビスコ伊中銀総裁、パドアン伊財務相講演
22:30 米11月雇用統計
22:30 米10月貿易収支
22:30 加11月雇用統計
22:30 加10月貿易収支
22:45 メスター米クリーブランド連銀総裁(投票権あり)講演
翌0:00 米10月製造業受注指数
翌4:45 フィッシャーFRB副議長講演
翌5:00 米10月消費者信用残高

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様

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佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト