マーケット

弱い米国雇用統計

【著者】

昨晩の概況

先週末は欧米を中心にイースター休暇となり流動性が薄い状態のなか、米国の雇用統計が発表となりました。雇用統計の結果は非農業部門雇用者数変化が市場予想を大幅に下回る12.6万人増と弱い結果となり、また前回数値も下方修正となったことを受けドル売りが進む展開となりました。
注目が集まった平均時給は緩やかな上昇を見せたものの全体的に弱さの目立つ結果を受けて米国の利上げ開始時期の予想の中心は完全に6月から9月へシフトした感があり、しばらくは、ドルは上値の重い状況が続くこと可能性が考えられます。

ただし、9 月の利上げ期待が残っている状況である以上、利上げに向かう米国と緩和が続くその他中銀という基本的なスタンスの違いは継続と考えられることから、ドル高地合いは中長期的には維持され、この利上げ観測が「年内はできないのでは?」に変化するまではドルの大崩れというシナリオは想定しにくいと考えられます。

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【主要通貨ペアの推移】

ドル円は弱い雇用統計の結果を受け先週守り続けていた119.40ラインを下抜け、119円を割り込むところまで押し込まれる動きとなりました。上昇トレンドラインを割り込み、そのトレンドライン付近がレジスタンスとなり上値の重い推移が続いています。次に意識されるのは3月26日の安値である118.30付近や2月にサポートとなった118.20付近で割り込むと下落圧力が強まる可能性もあるため警戒が必要です。レジスタンス候補は先週サポートとして活躍していた119.40付近がまずは意識されると考えられます。

ドル円oanda

ユーロドルは弱い米国雇用統計を受け底堅い推移となりました。日足チャートでは引き直した下降トレンドラインを上抜け上昇の兆しを見せはじめています。キーとなるのはFOMC後に上値をブロックしている1.105で、上抜けるとダブルボトムのネックライン上抜けとなり、溜まったユーロ売りのポジションがさらに絞り出され、さらに上昇波動が強まる可能性が高まります。

ユーロドル

ユーロ円は底堅い地合いを継続しています。ユーロ円もFOMC後の高値である131.80付近をネックラインとしたダブルボトムを形成しつつあるため、上昇が続き131.80を上抜ける推移となると135円台をターゲットとした上昇波動が強まる可能性が高まるため接近した際には警戒が必要です。

ユーロ円

ポンドドルは上下に方向感のない推移が続いていましたが、弱い米国雇用統計を受けて上昇が強まり1.49台を回復する動きとなりました。しかし、上値の重さも残り1.5台トライには至りませんでした。日足チャートでは現在、節目の1.5、または1.517付近をネックラインとしたダブルボトムを形成しかけているため1.5や1.517を上抜ける動きとなった際には1.531.55付近をターゲットとした上昇圧力が強まる可能性があるため、さらに上昇となった際には注意が必要です。

ポンドドル

豪ドルはドル売りが進むなかでも伸び悩む推移となっています。根強い利下げ観測、鉄鉱石価格の下落が重しになっており、対ドルのみならず、対ユーロ等の欧州通貨、対円でも大きく値を下げる動きとなりました。本日は先週の安値である0.7533付近を守ることができるかどうか、雇用統計後の高値となった0.7695のどちらに抜けるかでまずは方向感を探っていきたいところです。

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【本日の注目材料】

本日は欧州時間まではイースター休暇モードが続き流動性の薄い状態が続くため、値動きは鈍く、そして荒い動きとなることが予想されます。流動性の薄い状態で雇用統計を迎え、大きく動いた後の相場ということもあり、不安定な推移となることが予想されます。

NY時間はISM非製造業景況指数に注目が集まります。NY時間には徐々に流動性も回復すると考えられますが、ロンドンが休日ということもあり通常よりは薄い状態のため、値動きの荒さは若干残ると考えられます。
製造業関連の弱さが目立つなか、非製造業も弱い結果となるとドル売りがさらに強まる可能性もある反面で、製造業の弱さが一時的な要因も大きいとの理由付けがしっかりと行われていることを踏まえると、強い結果となった際の反発は大きくなるかもしれません。

【本日の予定】

シドニー・ウェリントン・ロンドン・パリ・フランクフルト・チューリッヒ市場休場
中国・香港市場休場
21:30 ダドリー米NY連銀総裁講演
22:45 米3月マークイット総合PMI(確報値)
22:45 米3月マークイットサービス業PMI(確報値)
23:00 米3月労働市場情勢指数
23:00 米3月ISM非製造業景況指数 
23:00 加3月Ivey購買部景況指数

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト