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今週の見どころ ECB理事会他

【著者】

先週からの流れ

先週はドルの上値の重さが目立つ週となりました。経済指標にて伸び悩む状態が続き、米国の年内追加緩和観測が後退している状態で週末の米国雇用統計を迎えました。雇用統計の結果は非農業部門雇用者数が市場予想を上回る結果となり、労働参加率も上昇する強めな結果となりましたが、平均時給が前回から低下となったことで追加利上げ観測を後押しすることはできず、終わってみればドルの上値は重い状態が続きました。

逆に強さが目立ったのは原油価格の反発を、豪ドル、カナダドルなどは堅調な推移となりました。特に豪ドルはGDPが市場予想を大きく上回ったことも下支え材料となり、底堅い動きとなっています。

ユーロは序盤にユーロ圏の消費者物価指数が弱含みECBの追加緩和が意識され、売りが強まる動きとなりましたが、その後は弱い米ドルに押し上げられ、反発する動きとなっています。

通貨の強弱

ECB理事会

今週はECB理事会が予定されています。前回のドラギ総裁の記者会見にて追加緩和が示唆されたこともあり、追加緩和が実施される可能性が高まっています。市場では追加緩和が行われること自体はすでに想定済みで、緩和規模に注目が集まりそうです。
マイナス金利拡大、資産購入時期の延長、資産購入枠の増額、購入資産の種類の拡大、新LTROの導入など様々な憶測が飛び交っており、期待感が強まるようであれば、ユーロの上値が圧迫あれることが想定されますが、現状では緩和を期待したユーロ売りのポジションは限定的になっているようにも見えます。

発表直前に向けて期待感からユーロ売りが強まるようであれば、発表後に失望、材料出尽くしによる反発の可能性が高まるため、事前の値動きに注目したいところです。

中国全国人民代表大会等

今週は中国の外貨準備高や貿易収支の発表に加え、先週末からスタートしている注目人民代表大会(全人代)に注目が集まります。
外貨準備高が減少しているようであれば、介入余力への疑念が生じ、リスク許容度を圧迫する可能性が挙げられ、また、貿易収支が冴えない結果となっても景気減速への意識が強まる可能性が挙げられます。

ただし、全人代への期待感もそれなりに下支え材料となると考えられ、市場のリスク許容度が短期的に改善に向かうというシナリオも十分に考えられます。

先週の注目通貨のその後/今週の注目通貨ペア

先週は豪ドルの下落の可能性について書きましたが、結果は強い豪GDPや原油価格に支えられた豪ドルが上昇する動きとなり、大ハズレとなりました。

そして、今週も引き続き、この通貨に注目してみたいと思います。

ます、どの時点で、読み間違えているとの判断を下すべきであったかについて、考えてみたいと思います。

流れを読み違えていると判断するポイントは多数あったと考えられますが、下の4時間足チャートで3つの水準に注目してみたいと思います。

まずは①4時間足の安値を結んだトレンドラインを割り込みましたが、その後、安値(赤点線)を更新できなかったこと。再下落を予想して売りで入った参加者はここで苦しい状況に追い込まれたと考えられます。

この時点で少し怪しいと考えることができると思います。ただし、その後、下落という可能性もこの時点では残っているため、慌てるところではないと考えられます。

②そして、前週から2回上値を抑えている0.726付近(黄点線)を上抜ける動きとなりました。この時点で上昇基調の継続の可能性が高まり、買いで新規に参入してくる参加者、更には再下落を予想した参加者は損切りのストップ買いが上昇をサポートしそうな状態となっています。

①の時点での疑念がここで確信に変わると考えられます。0.726を上抜けた時点では完全に流れは下向きではないということに気づくと思います。

③その後は昨年後半からのレジスタンスとなっていた0.7385付近(青線)付近、節目の0.74付近も上抜ける動きとなり、比較的長めな売りポジションのストップ買いも絡め、上昇を強めたことが想定されます。

豪ドル4時間

ここまでくると半年以上、上値を抑えていた水準を上抜けたということで、大きな流れが変わる可能性が浮上しています。下の週足チャートを見ると、下落基調が一段落し、0.8付近(ピンク点線)までも視野に入れた上昇基調となる可能性も浮上しています。

今週は、先週一週間で300pips以上の上昇となったこともあり、調整売りに押される場面もあると考えられますが、中長期的に流れが変わってきている可能性があることは頭の片隅に置いておきたいところです。

豪ドル週間

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト