【今週の注目材料】日銀金融政策決定会合とECB理事会

 さて、トランプ大統領発言に一喜一憂の展開が続いていますが、調整を交えながらも、株高円安傾向が見られるなど、リスク選好の動きが広がりつつあり、経済状況を中心とした通常の相場展開に戻りつつあります。

 基本的に米経済指標は好調。一方英指標はかなり弱いという中で、気になるのが日・ユーロ
 今週は日銀金融政策決定会合とECB理事会が控えており、状況が変わるかが注目されます。

  まずは26日、27日の日銀金融政策決定会合。

 政策変更の余地はまずありません。基本的に現状の長短金利操作付き量的質的緩和の継続が決定的です。

 海外勢には一部に出口への動きが期待する動きもありますが、日本の物価の低さを加味した実質金利ベースでは、現状の金利水準は別にが低くありません。更に今週発表された消費者物価指数の弱さを考えると、今回の会合で出口に向かう議論を進める理由はまずないです。

 注目は新たに加わった雨宮副総裁、若田部副総裁の姿勢。

 とはいえ、雨宮副総裁は理事として現在の政策策定の中心となっており、反対する理由もなさそうです(というか現行政策が実質的に雨宮さんのプランです)。気になるのがこれまでメディアなどで積極的な緩和を主張してきた若田部副総裁の姿勢です。片岡委員に同調してより積極的な緩和を主張してくると円安進行もありそうです。

 続いて26日のECB理事会。

 こちらも現行の金融政策の維持が確定的。現行の量的緩和(債券購入プログラム)については、少なくとも9月までの継続が確定しており、その後の延長もしくはテーパリング(徐々に減らしていく形での停止)に向けた動きが期待されるところ。

 ノボトニー・オーストリア中銀総裁が今月の講演でマイナス金利となっている中銀預金金利の引き上げ(-0.4%から-0.2%へ)の可能性を指摘するなど、金融政策の正常化に向けた動きが期待されるところで、9月に向けたフォワードガイダンスの変更がどこかのタイミングで期待されます。

 もっともこのところのユーロ圏経済指標はやや弱め。ビルロワドガロー仏中銀総裁などは、保護主義の台頭などで成長見通しに下方リスクがあり金融政策に軌道修正を迫られる可能性に言及するなどよりハト派な見通しが出ている状況だけに今回の理事会での変更は厳しく、無風での通過が見込まれます。 

 前回の理事会でそれまでの声明の中にあった「経済と物価情勢次第で資産購入プログラムを拡大」との文言が削除されており
既に少し修正が進んでいることも、無風通過見通しを後押ししそう。

 注目はドラギ総裁の会見。直近の指標動向や保護主義的な姿勢を示す米国との関係からより慎重な姿勢が強調されるようだとユーロ売りが強まる可能性があります。

山岡和雅

minkabu PRESS編集部 山岡和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)グループに入り、現在、minkabu PRESS編集部外国為替情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」スバル舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香出版社など