【来週の注目材料】5月の積極姿勢をどう評価<トルコ中銀政策金利>

 米金利の上昇を受けた新興国通貨からの資金流出の動きを受けて、新興各国は利上げを含めたいろいろな対応を余儀なくされています。

このところの主な動き

 アルゼンチン中銀が4月27日に3%、5月3日に3%、とどめに4日に6.75%と、8日間で3度の利上げを実施し、政策金利を40%に。
 ブラジル中銀は16日の会合で、ほぼ確実と見られていた13回連続の利下げに踏み切らず
2016年10月からの利下げサイクルを打ち止めました。
 アジアでもインドネシア中銀が17日の0.25%利上げに続いて、30日の臨時会合で0.25%の利上げを発表。異例となる2週間で2回目の利上げに踏み切りました。

話題となったトルコ中銀の姿勢

 通貨安が進んだトルコ中銀も、それまでエルドアン大統領の低金利指示姿勢の下で、利上げに消極的だった姿勢がうそのように積極姿勢に転じました。
 4月25日の会合で、後期流動性貸出金利を0.75%引き上げ12.75%から13.50%へ。
 しかし、リラ安の動きがまるで止まらず、23日に後期流動性貸出金利を一気に16.5%へ。
 これでリラ安は一服も、動きが一段落すると再びリラ売りの動きが出てくると見るや、前回の利上げからわずか5日後の28日に、2017年に使用をやめていた本来の主要政策金利である
1週間物レポ金利を主要政策金利として復活させることを表明し、その水準を従来の8%から、後期流動性貸出金利となっていた16.5%に
倍以上も一気に引き上げ。翌日物貸出金利と同借入金利を上下1.5%に設定する、従来のコリドー型の政策金利を再開しました。(公的にはレポ金利取りやめで機能していなかっただけで
 コリドー型を廃止していたわけではありませんが)。
 それまでの後期流動性貸出金利は、従来の緊急避難金利としての役割に戻し、金利水準を19.5%に引き上げています。

来週の予定

 こうした中、来週7日にトルコ中銀の従来の金融政策会合が予定されています。
 レポ金利の再開が1日から、準備もあって後期流動性貸出金利の19.5%へのシフトは7日から始まるという状況で、7日にさらに利上げというわけにはいかないと思われますが、このところの積極姿勢について、トルコ中銀がどのような声明を出してくるのかには要注目。
 また、今週4日16時にはトルコの消費者物価指数(5月)が発表されます。消費者物価指数前年比の予想は+12.08%と前回の10.85%から大きく上昇。
 インフレターゲットである5.0%がかなり遠いという印象です。
 予想を超えたとしてもさすがに利上げはないと思われますが、今後の追加利上げを示唆するような姿勢が見られるとトルコリラ買いにつながる可能性も。

山岡和雅

minkabu PRESS編集部 山岡和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)グループに入り、現在、minkabu PRESS編集部外国為替情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」スバル舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香出版社など