【来週の注目】前年比で鈍化も基調はしっかり<米消費者物価指数>

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 米FOMCでの年内あと1回及び来年3回の追加利上げ見込みが広がるなど、利上げサイクルが継続している米国。
 力強い雇用情勢と物価の上昇がこうした利上げサイクルを支える中で、来週は10日に米生産者物価指数(PPI)、11日に米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されています。
 雇用市場はある程度振幅があれど、ほぼ完全雇用状態といわれているだけに、利上げの是非を決めるカギは物価にあると考えられています。
 米国のインフレターゲットの対象となる物価はPCE(個人消費支出)デフレータであり、日本や欧州をはじめとするほとんどの国のようなCPIではありません。 ただ、両指標はカバーする支出範囲や消費行動の変化に対する調整などの違いはあれど、ともに消費者の財やサービスに支出する際の価格変化という面では同じであり、結果として水準はともかく(PCEの方がたいてい低く出ます)好悪の傾向は似たものとなるため、発表が早い(9月分のPCEがでるのは10月29日)CPIに注目する傾向があります。

 PPIはCPIほどの注目度はありませんが、CPIよりも発表が早いことが多いため、先行指標として意識されています。

 今回の指標、まずは消費者物価指数をみると、予想は前年比+2.4%。前回の2.7%から大きく鈍化の見込みです。
前回の数字自体が前々回(+2.9%)から予想の+2.8%を超える鈍化を見せましたが、そこからさらに大きく鈍化で、やや警戒感も出ています。

 前回の数字は被服費が前月比で70年ぶりという大幅マイナスである-1.6%を記録するなどやや厳しいものでした。

 今回はそこからさらに0.3%ポイントの低下と水準だけをみると厳しいものとなっています。

 ただ、前年比の対象である2017年9月はガソリン価格が一時的に急騰し全体を押し上げた経緯があります。
ガソリン価格(全米全種平均)は8月から9月で10%以上の上昇。その後低下して、原油価格が上昇する今年春までの高値水準となっています。こうした状況が前年比の対象となる2017年9月の数字を押し上げており、そこからの比較で伸びが鈍って見えるという部分があります。

 前月比は+0.2%と前回と同水準の見込み。 昨年9月ののガソリン価格上昇の影響が小さい食品・エネルギーを除くコア部分は前年比+2.3%と前回の+2.2%から延びており、物価の堅調さが意識されるところです。

 続いてその前日10日のPPIです。

 こちらも全体では8月の+2.8%から+2.7%に鈍化の見込み。
こちらもコアでは上昇が著しく前年比☩2.3%から☩2.6%に上昇見込みとなっています。  

 これら2つの指標が強めに出るとドル高の流れが強まると期待されるところです。

山岡和雅

minkabu PRESS編集部 山岡和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶグループに入り、現在、株式会社みんかぶ編集部外国為替情報・商品先物情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」スバル舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香出版社など