【来週の注目材料】前回はハリケーンの影響?回復なるか~米雇用統計

 11月2日に10月の雇用統計が発表されます。
前回9月分の雇用統計は非農業部門雇用者数が+13.4万人と、予想の+18.5万人を大きく下回る弱めの数字となりました。
数字しては約1年ぶりとなる小幅な増加となります。

 もっともこれは2つの理由があるとみられます。

 一つは、7月分及び8月分が大きく上昇修正されたこと。
両月合わせて8.7万人の上方修正となりました。
修正された過去値を基に、前月比が示されますので、本来の想定よりも低く出るのは致し方ないところです。

 もう一つは9月に米サウスカロライナ州とノースカロライナ州を中心に大きな被害をもたらしたハリケーン「フローレンス」の影響です。

 雇用者数の内訳をみますと、娯楽観光が-1.7万人と、2017年9月以来のマイナスとなりました。
ハリケーン被害をまともに受ける分野であり、影響を感じさせる結果です。

 また、こちらもハリケーンの影響が出やすい小売業が-2.0万人となっており、こちらも全体の足を引っ張りました。

 ちなみに失業率は3.7%まで低下しました。
8月の3.9%から0.2%ポイントの低下で、約49年ぶりという低水準になります。
FRBは今年の12月時点でこの水準に下がるという見通しを示していましたが、3か月ほど早くの達成となります。

 平均時給は前月比+0.3%、前年比+2.8%に。
共に8月分より鈍化していますが、8月の前年比+2.9%は9年超ぶりの伸びであり、さすがに反動が出た格好です。

 ヘッドラインの数字的には驚きのあった前回の雇用統計ですが、こうした事情を加味すると、依然として堅調という印象です。

 そうした状況を受けての今回の雇用統計ですが、非農業部門雇用者数の予想は+19.0万人となっています。
ほぼ元の水準に戻ってきたという印象。

 失業率は前回の低水準を維持して3.7%の見込みです。

 平均時給は前月比こそ+0.2%と鈍化伊見込みですが、前年比+3.1%まで伸びると期待されています。

 2日と比較的早めの発表のため、前哨戦となる関連指標の結果はまだわからないものが多いですが、計測期間が重なる12日を含む州の新規失業保険申請件数は21.0万件。
こちらは9月の同期間より若干多いですが、このところの平均よりは低めで、比較的好結果です。

 今後の関連指標の予想をみると、31日に発表されるADP雇用者数は19.0万件と、前月の+23.0万件から減少見込み。
ただ、前月の数字が、雇用統計自体の弱めの数字に対して、ADPは8月の16.8万件から23.0万件と一気に伸びるという
相関の取れていない状況となっており、あまり気にしないほうがよさそうです。

 ISM製造業景気指数は59.4と前回の59.8からやや鈍化見込み。
8月に61.3と14年ぶりの高水準を記録してから、2か月連続の調整となります。
もっとも水準的には比較的しっかり。
予想はありませんが、前回58.8と今年2月以来の高水準を記録した雇用部門の数字にも要注意です。

 勢いのある水準とまではいきませんが、堅調な状況を継続していることを印象付けそうな今回の雇用統計。
予想を大きく外れない限り、FRBの利上げ路線継続を意識させてドルの支えになると期待しています。

 

山岡和雅

minkabu PRESS編集部 山岡和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)グループに入り、現在、minkabu PRESS編集部外国為替情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」スバル舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香出版社など