【来週の注目材料】FOMC前の雇用統計も強めの数字に期待感<米雇用統計>

 早いもので2018年も師走を迎え、金曜日は今年最後の雇用統計
 利上げが濃厚な今月18日19日の米連邦公開市場委員会FOMC)前最後の雇用統計となります。

 米国の労働市場はかなりタイトな状況が続いており、力強い雇用増、49年ぶりの低水準という失業率という状況。
 遅れ気味となっていた賃金面でも、先月は平均時給の前年比の伸びが約9年半ぶりの高水準を示すなど、相当力強い状況となっています。

 前回10月分の状況を整理してみましょう。
非農業部門雇用者数は市場予想の+20.0万人に対して、+25.0万人という好結果を記録しました。
 9月分が下方修正されているものの、8月分は同数の上方修正があり、10月分への影響は相殺されており、素でよい数字という印象。

 ハリケーンの影響で9月に落ち込んだレジャー・ホスピタリティ部門が+4.2万人と大きく上昇。
 同じく落ち込んだ小売りは+0.24万人と冴えなかったですが、10月は経営破綻した小売り大手シアーズの店舗閉鎖の影響があるとみられていただけに、それでもプラス圏という状況は悪いものではありません。

 通商摩擦問題などからもトランプ政権が力を入れている製造業は、広義の製造業で+6.7万人と好結果。
 このところ好調であった建設業だけでなく、いわゆる製造業部門も+3.2万人と今年最大の伸びを示しています。

 失業率は予想通りながら3.7%を維持。
労働参加率が9月の62.7%から62.9%に上昇している(労働参加率の上昇は失業率の悪化要因)にもかかわらず、49年ぶりの低水準を維持しており、強めの数字という印象を与えました。

 平均時給は前年比+3.1%と9月の+2.8%から延びて、9年半ぶりの高い伸びを記録。
 労働需給のタイトさが賃金上昇を読んでいることを印象付け、個人消費拡大への期待感にもつながりました。

 こうした状況を受けて今回の数字です。
非農業部門雇用者数は+20.5万人の見込み。
 前回の反動で(前月比なので強い数字の次の月は弱めに出やすい)少し鈍化見込みとなっていますが、20万人の大台を超える見込み。
 失業率も3.7%を維持の見込み。
 そして平均時給は前年比+3.2%とさらに上昇見込みとなっています。

 予想通りの数字が出てくるとかなり力強いという印象。
 12月の利上げ自体はすでに織り込み済みで
今回が強かったからといって、何か変わるものではありませんが、先日のパウエル議長の慎重発言以来、市場の見通しがやや鈍化している来年以降の追加利上げについて、漸進的な利上げ維持の見通しを後押しする結果となりそう。

 今月のFOMCでの参加メンバーによる金利見通し(ドットプロット)にも影響が出そうで
予想通りもしくはそれ以上の数字が出てくるとドル買いが期待されます。

山岡和雅 | minkabu PRESS編集部

山岡和雅 | minkabu PRESS編集部

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)グループに入り、現在、minkabu PRESS編集部外国為替情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」スバル舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香出版社など