【週末特集】延長された期限迎えるブレグジット、今後どうなる?

 英国のEU離脱問題は、交渉期限を4月12日に迎えます。
リスボン条約に基づく、元々の期限である3月29日をいったん延長し、12日までに協定案を英議会で合意することが期待されていましたが、残念ながら英議会での合意がまとまらないままで、今回の期限を迎えることとなりそうです。

 トゥスクEU大統領は英下院が3度目の否決を行った29日の結果を受けて4月10日の臨時EUサミットの開催を決定。
3月29日から4月12日への延期を決めた先月のEUサミットにおいて、英国に対して12日までに離脱方針を決定すること、決定できなければ長期延長可合意なき離脱となると警告していますが、現状として期日までの英議会での合意は難しく、かなり厳しい状況に置かれています。

 メイ首相はEUに対して短期の再延期を求めています。具体的には5月23日から始まる欧州議会選挙前日の5月22日を期限としています。もっとも、3月時点で4月12日ではなく5月22日を延長期限として求めていながら、EU側に拒否されて4月12日までの延期が決まったこと、EUの行政トップで欧州内に影響力が強いユンケル欧州委員長が離脱案の議会での合意が無ければ再度の延期は認めないという姿勢を示していることなどから再延期が認められるかどうかは微妙。

 メイ首相はここにきてこれまでの方針を転換し労働党コービン党首らと会談して超党派での離脱プロセスづくりを行っています。この辺りをEU側がどこまで評価するのか。5月22日までに協定に合意し、秩序あるEU離脱に向かうことが、英国だけでなくEUにとっても望ましい結果だけに合意の可能性をいかに示せるかがポイントに。

 10日の臨時EUサミットにはメイ首相も出席を要請されていますので、その場でのアピールが重要となりそうです。

 もっとも、労働党との協力を模索する中で、保守党の強硬派は反発を強めています。
労働党の主張である関税同盟に残留などを認めた場合、保守党強硬派の賛同はまず得られません上に、閣外協力しているDUPの協力も難しいことから、両党の中でどこまで賛同者が得られるかの計算という形が見込まれます。

 なお、議員主導での代替案採決において、関税同盟残留案は否決されたとはいえ賛同者がそれなりに多かった案だけに、政府案と同案の調整での折衷案ならば、過半数確保の可能性はそれなりにありそう。
この辺りのアピールがうまくいくと、再延長が現実味を帯びます。
 再延期が認められなかった場合は時間切れでの合意なき離脱となる可能性が高く、英国だけでなく世界的な大きなリスク要因になりますので要注意です。 

minkabuPRESS編集部山岡和雅

山岡和雅 | minkabu PRESS編集部

山岡和雅 | minkabu PRESS編集部

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)グループに入り、現在、minkabu PRESS編集部外国為替情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」すばる舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香ビジネスなど メールマガジン「外国為替ディーラーの心の中」( https://www.mag2.com/m/0000094647.html )を毎営業日朝に好評配信中