香港の条例改正案正式撤廃、英合意なき離脱リスク後退などが支え

香港の条例改正案正式撤廃、英合意なき離脱リスク後退などが支え

ドル円は106円40銭台まで、ポンド円は130円台を回復

カナダ中銀据え置き、声明で現行程度の刺激策適切と
利下げ示唆を見せずにカナダ買いに
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《9/4 水曜日》
ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  105.94  1.0974  116.26
高値  106.44  1.1038  117.44
安値  105.83  1.0969  116.13
終値  106.39  1.1035  117.40
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《9/4 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  20649.14 +23.98
DOW   26355.47 +237.45
S&P    2937.78 +31.51
Nasdaq  7976.88 +102.72
FTSE   7311.26 +43.07
DAX   12025.04 +114.18
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《9/4 水曜日の商品市場》
NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=56.26(+2.32 +4.30%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1560.40(+4.50 +0.29%)
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《9/4 水曜日に発表された主な経済指標》

【豪州】
GDP(第2四半期)10:30
結果 0.5%
予想 0.5% 前回 0.4%(前期比)
結果 1.4%
予想 1.4% 前回 1.8%(前年比)

【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI・確報値(8月)16:55
結果 54.8
予想 54.4 前回 54.4

ユーロ圏非製造業PMI・確報値(8月)17:00
結果 53.5
予想 53.4 前回 53.4

ユーロ圏小売売上高(7月)18:00
結果 -0.6%
予想 -0.6% 前回 1.2%(1.1%から修正)(前月比)
結果 2.2%
予想 2.0% 前回 2.8%(2.6%から修正)(前年比)

【英国】
CIPS非製造業PMI(8月)17:30
結果 50.6
予想 51.0 前回 51.4

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(08/24 – 08/30)20:00
結果 -3.1%
予想 N/A 前回 -6.2%(前週比)

貿易収支(7月)21:30
結果 -540億ドル
予想 -534億ドル 前回 -555億ドル(-552億ドルから修正)

【カナダ】
国際商品貿易(7月)21:30
結果 -11.2億カナダドル
予想 -3.5億カナダドル 前回 -0.6億カナダドル(1.4億カナダドルから修正)

カナダ中銀政策金利 23:00
結果 1.75%
予想 1.75% 現行 1.75%

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《9/4 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*片岡日銀審議委員
海外経済は、昨年後半から足もとにかけて成長ペースが弱まる中、
各国の動きにばらつきが目立ち、リスク要因の一部が顕在化しつつある。
日本経済は、4-6月期は、1~3月期に寄与が低下した民間消費、設備投資、政府支出の寄与が拡大したことで
内需の寄与が好転して、全体として外需の減少を内需の拡大が補う形。
日本銀行の中心的な見方では、当面、外需は弱めの動きとなるものの、
その後は緩やかに増加し、堅調な内需と合わせ、先行き拡大基調が続くことを想定。
片岡委員自身は、見通し期間の成長率をゼロ%台の半ばから後半と予測、潜在成長率をやや下回り、リスクも下方に厚い。
7月の会合で、海外経済の動向を中心に経済・物価の下振れリスクが大きいもとで、
先行き、『物価安定の目標』に向けたモメンタムが損なわれる惧れが高まる場合には、
躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講じるとの一文加わる。
物価目標と実際の物価上昇率に相応の距離がある現状では、
経済の遅行指標である物価の変調を確認した後ではなく、先制的に政策対応することが重要
追加緩和によって需給ギャップの需要超過幅を一段と拡大させるよう働きかけることと併せて、
物価目標と関連付けた形でフォワードガイダンスを修正することも適当と指摘。

【英国】
*ジャビド英財務相
4日の予算発表でEU離脱関連追加予算として20億ポンドを支出する。
EU離脱関連予算はこれで総額83億ポンド。

*スコットランド裁判所
英首相の議会休会に対する議員の異議を却下。

カーニー英中銀総裁
中核的な英金融システムはブレグジットに対して強固。
ブレグジットの最悪ケースは2018年よりも厳しさが軽減されている。
最悪ケースではGDPは5.5%減少、2018年は8%減少だった。
すべてのシナリオについてのアップデートは必要ない。
経済成長はプラス圏を維持も、ゼロに近い水準を予想。
GDPデータはボラタイルに。
合意なき離脱では、経済が減速し、インフレは上昇する。
合意なき離脱では食品価格が5-6%上昇するだろう。
レグジットに対する金融政策について事前にコミットせず。
合意なき離脱では流動性の供給を行う用意、必要であれば資本バッファーを引き下げ。

*英議会
合意なきEU離脱を阻止する法案を327対299で可決成立。

*ジョンソン英首相
EU離脱延期の模索を拒否し、10月15日の早期総選挙を提案へ。

*英議会
英議会はジョンソン英首相の早期総選挙実施の動議を否決。

【アルゼンチン】
*格付け会社フィッチ
アルゼンチンの格付けを従来の「RD(一部債務不履行)」から「CC」に引き上げ。

【ユーロ圏】
*ラガルド次期ECB総裁候補
良いリーダーシップとは全ての声を聴くこと。
金融の安定を維持することがECBの重要な使命であること明白。
ユーロ圏経済は足元でリスクに直面している。
リスクは外部からの要因。
インフレは低すぎる、大規模な緩和策が必要。
政策の負の面についても考慮する。
銀行や資本市場の統合を進めるべき。
ECBは市場の声に耳を傾け、理解する必要ある。
ECBは市場の思惑に導かれる必要はない。
「どんなことをしてでも」と言う必要ないこと望む。
(欧州議会で)

【米国】
*米地区連銀報告(ベージュブック)
経済は8月末にかけて緩やかなペースで拡大。
この先数ヵ月の見通しは楽観的。
関税や貿易問題への懸念は続く。
製造業の活動は若干下振れ。
物価上昇は前回に比べ緩やか。
悪天候が農業生産を圧迫。
貸し出しは様々な地域で緩やかに拡大。
貿易問題の不確実性にもかかわらず緩やかに成長。

*トランプ大統領
ハリケーン「ドリアン」の影響で消費は予想を大きく下回った。
米中貿易戦争の中でも生産者物価は上昇していない。
中国は合意を望んでいる。何が起こるか注視。
ファーウェイは安全保障上の大きな懸念。
中国に関税を賦課していなければ株価は高くなったであろう。
イランは協議し合意を望んでいる。
マクロン仏大統領を通しての取引はしない。
イランが核兵器を保有することが望まない。
イランのローハニ大統領と会談の可能性。

*カプラン・ダラス連銀総裁
9月FOMCの金利については言及しない。
今年ではなく来年の見通しを参照している。
大半の企業は慎重ではあるが、後退は示唆していない。
大半の企業は不確実性を考慮し慎重ではあるが、見通しについては期待を寄せている。
GDP見通しを修正するならば下方修正になる。

【カナダ】
*カナダ中銀声明
現行程度の刺激策が適切。
経済は潜在成長及びインフレ目標に近い。
貿易問題のエスカレートは経済に打撃を与える。
低金利で住宅市場は急速に回復。
賃金は上昇。しかし、消費は予想外に弱い。
経済は下半期に減速が予想される。
企業の設備投資は強かった第1四半期からの反動で低下。

【その他】
*香港行政長官
逃亡犯条例改正案の撤回を正式に発表。
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《本日予定されている主な経済指標》

【豪州】
貿易収支(7月)10:30
予想 70.00億豪ドル 前回 80.36億豪ドル

【スイス】
GDP(第2四半期)14:45
予想 0.2% 前回 0.6%(前期比)
予想 0.9% 前回 1.7%(前年比)

【ユーロ圏】
ドイツ製造業受注(7月)15:00
予想 -1.4% 前回 2.5%(前月比)
予想 -4.2% 前回 -3.6%(前年比)

【南アフリカ】
経常収支(第2四半期)18:00
予想 -1450億ランド 前回 -1420億ランド(-1430億ランドから修正)

【米国】
ADP雇用者数(8月)21:15
予想 14.6万人 前回 15.6万人

新規失業保険申請件数(31日までの週)21:30
予想 21.5万人 前回 21.5万人

製造業新規受注(7月)23:00
予想 1.0% 前回 0.6%(前月比)

耐久財受注・確報値(7月)23:00
予想 2.1% 前回 2.1%(前月比)
予想 -0.4% 前回 -0.4%(輸送除くコア・前月比)

ISM非製造業景気指数(8月)23:00
予想 54.0 前回 53.7

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【東京市場】株高などを支えにドル円はしっかり

ドル円は106円台を回復する動きを見せた。前日のNY市場でISM製造業景気指数の弱い数字を受けて105円台に値を通したドル円。その後いったん106円台を回復も、頭が重く105円台に値を落として東京朝を迎えた。
その後105円台での推移から、中国人民銀行の元高設定などを好感したリスク警戒後退での株高の動きにドル円、クロス円が上昇。日経平均は小幅プラスも、ダウ先物時間外取引などのしっかりした上昇を好感する形で106円台を回復している。
もっとも高値は105円台に値を落とした後のNY午後の高値と同水準で、上値でのドル買いにも慎重。

ポンドがしっかり。ポンドドルは昨日の1.19台から合意なき離脱懸念が後退する形で昨日の海外市場で一時1.21台に。1.2080近辺で朝を迎えた後、1.2110台まで上値を伸ばす展開に。英議会でジョンソン首相にEUと離脱期限延長の交渉を命じる法案の採決が本日行われることが決まったことで、合意なき離脱懸念が後退し、ポンド買いの流れとなっている。

【ロンドン市場】ポンド買い

香港行政長官が逃亡犯条例改正案を正式に撤回したことがドル買い円売りに
また、合意なき離脱懸念後退からのポンド買いも継続。

全般にリスク警戒感が後退する中で
円安の動きが広がった。ポンドは1.2100近辺から1.2220近辺まで。
ポンド円は128円台前半から129円台後半まで。

ドル円は106円台にしっかり乗せて106.30近辺での推移。

【NY市場】ドル円もう一段高値

ドル円は106円40銭台まで。
香港行政長官の条例回線案正式撤廃が好感されている。
また、ポンドに関しては合意なき離脱阻止法案が成立、
ジョンソン首相が出した早期解散総選挙提案が否決と
合意なき離脱に向けた動きが否定されたことで、懸念が後退している。
ポンド円はロンドン市場の高値を超えて130円台を回復。

カナダ中銀は事前見通し通り据え置き。
声明で利下げの示唆もと事前に期待されていたが
原稿程度の刺激策が適切とされ、カナダ買いの動き。

【本日の見通し】レンジ取引を中心に

リスク警戒感が一部後退も、
週末の雇用統計を前に、突っ込んだ売り買いは避けたいところ。
ドル円は106円台を中心とした推移か。

注目は23時に米ISM非製造業景気指数。
火曜日の同製造業がかなり弱く出た後だけに、
予想を下回る数字が警戒されるところ。
好悪判断の境となる50にはまだ余裕があるだけに
製造業のように50割れの懸念は小さいが油断は大敵。
また、内訳の中で雇用部門の落ち込みが目立つと
金曜日の雇用統計を前に警戒感も。

ポンドは、早期解散否決で警戒感やや後退も
EUとの交渉面では特にプラス面があるわけではなく
ポンドは比較的しっかりも、上値追いには慎重か。

【本日の戦略】レンジ意識

ドル円は106円台後半での売りを意識し、107円超えでストップ。
もっとも、流れは上方向で、勢い次第では超える可能性も。
今晩のISM非製造業が製造業と違いしっかりの結果を示すと
ドル買いに弾みも。

ポンドは当面の懸念後退。
混乱状態からの回復基調でもう少し買い戻しもありそう。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

山岡和雅

山岡和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)グループに入り、現在、MINKABU PRESS 外国為替情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」すばる舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香ビジネスなど メールマガジン「外国為替ディーラーの心の中」( https://www.mag2.com/m/0000094647.html )を毎営業日朝に好評配信中