米中協議の進展期待がドル高円安誘い、ドル円109円台回復

米中協議の進展期待がドル高円安誘い、ドル円109円台回復

習近平国家主席が第一弾合意署名のための訪米に前向きとの報道も

米ISM非製造業景気指数の好結果もドル高に

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【東京市場】リスク選好

 ドル円は一時108円83銭まで。前日の海外市場で見られたリスク選好の動きが連休明けの東京市場でも優勢となり、ドル高円安の動きにつながった。日経平均が400円を超える大幅高、米10年債利回りが一時1.80%超えなど、株高・債券利回り上昇など、他市場でもリスク選好の動きが優勢に。
 米中通商協議の進展期待が背景に。米国が中国に対する関税の一部撤廃を検討との英紙報道などが支えとなった。ロス商務長官が第一弾合意の署名に向けたプロセスは非常に順調と発言するなど、米中協議の進展に向けた動きが強まっている。

 12時半の豪中銀金融政策理事会は事前見通し通り現状維持を決定。声明もほとんど変化が見られなかった。発表直後はサプライズ感のない結果に反応は限定的も、その後豪ドル買いが優勢に。前回と変わらぬ声明内容に、当面の金利据え置き期待が広がったことや、リスク選好の動きからのオセアニア通貨買いなどが加わり、豪ドルは対ドルで0.6780前後での動きから0.6910台まで上昇。

 中国人民元が8月15日以来の元高を付けた。マイナス圏で始まった上海総合が3000ポイントを回復するなどしっかりの動きとなるなど、中国買いの流れに。中国人民元は7.03台から7.0180台まで値を落とす(ドル安元高)動きに。

【ロンドン市場】堅調地合い維持。

 欧州株高の動きが顕著地合いを誘った。
ドル円は108円90銭近辺まで朝方上昇し
その後はもみ合い。
ユーロドルが1.1110台など、ドルは全般に買いが優勢。

【NY市場】ドル円109円台

 
 習近平国家主席が訪米に前向きとの報道が下支え。
米中協議の進展期待が根強い。
米ダウ平均が連日の史上最高値更新など、株高の動きも。
ISM非製造業景気指数の好結果も支えとなり、ドル円はしっかり。
ユーロドルが1.10台後半に値を落とすなど
ドル全面高基調。

【本日の見通し】堅調地合い継続

 米中協議の進展期待が継続しており、ドル円は109円台をしっかり回復した。
先週の109円台は高値を付けた後すぐに108円台に戻しており、
結果的に109円台の重さが意識される形となったが、
その後108円割れを付けるところまでいったん調整が入ったことで
過熱感が薄れ、上がりやすい展開に。

 米ISM非製造業景気指数の好結果を受けて
米実体経済の鈍化懸念も後退しており、
 ドル円は110円の大台回復を意識する展開に。
その手前には売りが並んでおり、今日にもという動きは期待薄だが
下値をしっかり固める展開になると、上値期待が広がっていきそう。

【本日の戦略】押し目買い

 ここからは売りも並ぶが基調は上方向。
下がったところを丁寧に拾いたい。
108円台半ば割れでいったんストップも。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《11/5 火曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  108.58  1.1128  120.83
高値  109.24  1.1140  121.30
安値  108.56  1.1064  120.70
終値  109.16  1.1075  120.89
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《11/5 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  23251.99 +401.22
DOW   27492.63 +30.52
S&P    3074.62 -3.65
Nasdaq  8434.68 +1.48
FTSE   7388.08 +18.39
DAX   13148.50 +12.22
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《11/5 火曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=57.23(+0.69 +1.22%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1483.70(-27.40 -1.81%)
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《11/5 火曜日に発表された主な経済指標》

【豪州】
豪中銀政策金利 12:30
結果 0.75%
予想 0.75% 現行 0.75%

【英国】
CIPS非製造業PMI(10月)18:30
結果 50.0
予想 49.7 前回 49.5

【ユーロ圏】
ユーロ圏生産者物価指数(9月)19:00
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 -0.5%(前月比)
結果 -1.2%
予想 -1.2% 前回 -0.8%(前年比)

【カナダ】
国際商品貿易(9月)22:30
結果 -9.8億カナダドル
予想 -6.5億カナダドル 前回 -12.4億カナダドル(-9.6億カナダドルから修正)(国際商品貿易)

【米国】
貿易収支(9月)22:30
結果 -525億ドル
予想 -524億ドル 前回 -550億ドル(-549億ドルから修正)(貿易収支)

ISM非製造業景気指数(10月)00:00
結果 54.7
予想 53.5 前回 52.6

【NZ】
失業率(2019年第3四半期)6日6:45
結果 4.2%
予想 4.1% 前回 3.9%
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《11/5 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*黒田日銀総裁
物価は2%の目標に向けて上昇率を徐々に高めるとみている。
海外経済を注意深く点検する局面。
依然として大幅な金融緩和を続ける必要。
財政、金融のポリシーミックス、単独より効果高まる。
イールドカーブ(利回り曲線)あまりフラットにならないのが好ましい
50年債などの発行は超長期金利の過度な低下を防ぐ意味がある
必要ならば躊躇なく金融緩和を行う
海外経済の減速が続き、その下振れリスクが高まりつつあることにより注意を払いながら動向を点検した。
2021年度までの見通し期間を通じて、景気の拡大基調が続くと判断。
「拡大基調が続く」という総括判断はこれまでと変更なし。
海外経済の持ち直し時期が後ずれし、外需の回復が遅れると見込まれる。
国内需要は、その波及が限定的にとどまり、底堅く推移すると予想。
海外経済の減速が続き、その下振れリスクが高まりつつあるもとで、
2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムが損なわれる惧れに、
より注意が必要な情勢になりつつあると判断。
経済・物価動向を改めた点検の結果、「物価安定の目標」に向けたモメンタムが損なわれる惧れについて、
一段と高まる状況ではないものの、海外経済を巡る
下振れリスクが高まりつつあるとみられるもと、引き続き、注意が必要な情勢にあると判断
緩和方向をより意識した政策運営を行っているという、
日本銀行の政策運営スタンスを明確にする観点から、新たな「政策金利のフォワードガイダンス」を決定。
今後も、様々なリスクを注意深く点検しつつ、
経済・物価・金融情勢を踏まえ、予断を持つことなく、適切な政策運営を行っていく方針

*雨宮日銀副総裁
今のリスク要因を考えると、金利が上がることは考えられない。
市場は日銀の物価目標へのスタンスを理解している
金融緩和のベネフィットと副作用について、一段と注意深く点検すべき局面

【米国】
*英紙FT
トランプ政権が中国の衣料、家電、薄型モニターなど1120億ドル相当に対する関税の撤回を議論している。

*デイリー・サンフランシスコ連銀総裁
インフレがターゲットを下回っているときには、給与や物価状況を注視しながら雇用の最大化を目指すべき
マイナス金利は米国の金融システムには向いていないと考えられる、
現状では議論の机上に上がっていないが、重要なこととしてすべての手段が存在するということ。

*ロス商務長官
中国との第一段階の合意プロセスはとても順調
中国との合意について、合理的に楽観視できる
第一段階の合意の詳細は署名時に明らかになる
世界貿易の原則は米中通商問題だけが原因ではない。

*トランプ米政権
地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱プロセスを正式に開始。
米国務省が4日、同協定からの離脱を国連に通告した。
ポンペイ国務長官米国がパリ協定の下で約束した労働者、企業、納税者への
不公平な経済的負担を理由として協定からの離脱を大統領が正式に決定。

*米政府
4日、イランの最高指導者ハメネイ氏の側近らを経済制裁の対象としたことを公表。
ハメネイ氏の子息、同氏事務所高官らが対象で、米国内の資産凍結や米国人との取引禁止など。

*バーキン・リッチモンド連銀総裁
経済は健全だが、リスクは下方向に傾斜している。
ただちにリセッションに陥るとはみていない。
FOMCでの利下げは見通しへの不透明感を反映している。
最近のFEDの行動が望んだとおりの影響与えているか精査。
金利過程の見通しを引き下げることは経済の下支えとなろう。
(講演の事前原稿)

*米3年債入札結果
最高落札利回り 1.630%(WI:1.631%)
応札倍率    2.60倍(前回2.43倍)

*カプラン・ダラス連銀総裁
米国内での個人消費は力強い。
2020年のリセッションの可能性は低い。
自身はマイナス金利の支持者ではない。

【豪州】
*豪中銀理事会
3カ月前からの経済見通しの変化はわずか
必要な場合には追加の金融緩和を行う用意
長期にわたって低金利が続くと予想することが妥当
6月以降の金融緩和は雇用や所得拡大をサポート
今年の経済成長の中心シナリオ2.25%
物価は徐々に上昇していくというのが中心シナリオ
経済成長は2021年には3%に
主要な不確実性は個人消費
不確実性の根拠には干ばつと住宅建設を含む

【中国】
*習近平中国国家主席
外商投資法2020年1月1日スタート
輸入の拡大と関税の引き下げを成し遂げる
経済統合は世界的なトレンド
すべての国が経済的に深く協力するべき
テクノロジーのやり取りに関する障壁を取り除くよう促していく。
世界は多角的な貿易のやり方を堅持するべきである。
中国は徐々に市場を開放していく。

【英国】
*スタージョン英SNP党首
保守党を支持すること、いかなる状況においても無い。
ハングパーラメントとなった場合は、労働党を支持する可能性を示唆。

*IHSマークイット
10月英PMIは四半期ベースでの-0.1%成長と矛盾せず。
経済の基調トレンドは、良くても停滞(スタグネーション)と判断される。

【ユーロ圏】
*ミュラー・エストニア中銀総裁
ユーロ圏内の経済は引き続き力強い。
近い将来のECB金融政策の変更はないだろう。

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《本日予定されている主な経済指標》

【ユーロ圏】
ドイツ製造業受注(9月)16:00
予想 0.1% 前回 -0.6%(前月比)
予想 -6.3% 前回 -6.7%(前年比)

ドイツ非製造業PMI・確報値(10月)17:55
予想 51.2 前回 51.2

ユーロ圏非製造業PMI・確報値(10月)18:00
予想 51.8 前回 51.8

ユーロ圏小売売上高(9月)19:00
予想 0.1% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.4% 前回 2.1%(前年比)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(1日までの週)21:00
予想 N/A 前回 0.6%(前週比)

【カナダ】
Ivey購買担当者景況感指数(10月)7日0:00
予想 N/A 前回 48.7

山岡和雅

山岡和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)グループに入り、現在、MINKABU PRESS 外国為替情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」すばる舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香ビジネスなど メールマガジン「外国為替ディーラーの心の中」( https://www.mag2.com/m/0000094647.html )を毎営業日朝に好評配信中