ドル円109円台半ば近くまで、米中段階的関税撤廃合意報道がドル買い円売り

ドル円109円台半ば近くまで、米中段階的関税撤廃合意報道がドル買い円売り

英中銀金融政策会合は2名の利下げ主張

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【東京市場】調整の動き広がる

 米中通商協議第一弾合意の調印が、条件、場所の交渉が難航し、本来期待されていた今月中ではなく、
来月にずれ込む見込みと報じられたことなどを懸念して、ドル売り円買いの動きが広がった。
 前日の海外市場で報じられた同件については、109円台から108円80銭台まで落とした後、
109円近くまで戻して朝を迎えたが、東京市場に入っても調整売りの動きが続き、前日の安値を下回り108円65銭まで値を落とした。
 
 寄り付きからマイナス圏で推移した日経平均がプラスに転じる場面が見られたほか、
中国株も落ち着いた動きとなっており、影響は限定的も、
109円台での重さを意識したポジション調整の動きが出やすくなっていた面も。

【ロンドン市場】米中段階的関税撤廃で合意報道がドル買い

 当初は東京市場の流れを受けてやや重くスタートも、
序盤に米中が段階的関税撤廃で合意との報道が入り
一気にドル買い円売りの動きに。
米長期債利回りの上昇などもドル円をサポート。
欧州通貨の反応は一息。ユーロはもみ合いに。
ユーロ円は円売りでしっかりも、リスク選好でのクロス円の買いとドル買いの動きに挟まれ
ユーロドルはいったん上昇後もみ合った。
 

【NY市場】ドル円109円台半ば近くまで

 ドル円は上げ幅をさらに広げて109円台半ば近くを付ける動きを見せた。
米10年債利回りが1.97%まで急上昇するなど、利回り上昇傾向がドル買いを誘った。
ユーロドルもこの時間帯はドル買いで反応し、一時1.1050割れ。

 午後に入って、関税撤廃計画が米政権内部での強い反対にあい最終決定は下されていないとの報道に
少し調整が入ったが、押し目は限定的。
ポンドは軟調。英中銀金融政策会合MPCで
2名の委員が利下げを主張したことが材料となった。
サンダース委員とハスケル委員で、
サンダース委員は2017年と2018年の利上げの際に、実際の利上げの3会合前から利上げを主張するなど
タカ派とみられていた委員だけに、インパクトがあった。

【本日の見通し】堅調地合い維持

 米中協議の進展動向を市場が意識する展開が継続。
昨日の米中が段階的関税撤廃で合意との報道が一気に雰囲気を変えたが
NY市場でまだ決まっていないとの報道が出ても流れが変わらないなど
ドル買い円売り入りやすい流れとなっている。

 109円台半ばから110円にかけては売り注文が並んでいるとみられているが
押し目が限定的なものにとどまれば売りをこなしながら上昇する展開も。
目立った材料がない中で、週末前にどこまで買いあがれるかがポイント。
いったんポジション調整の場面もありそう。

【本日の戦略】押し目買い

 突っ込んだ買いはさすがに水準的に怖い印象も。
押し目を丁寧に買いに回りたい。
108円台に値を落とすかどうかがポイントとなりそう。
スウィングは108円台も視野に入れての買い下がり。
デイトレは早めに買いを入れて大台割れでストップという印象。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《11/7 木曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  108.98  1.1066  120.59
高値  109.49  1.1092  121.11
安値  108.65  1.1036  120.14
終値  109.28  1.1050  120.75
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《11/7 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  23330.32 +26.50
DOW   27674.80 +182.24
S&P    3085.18 +8.40
Nasdaq  8434.52 +23.89
FTSE   7406.41 +9.76
DAX   13289.46 +109.57
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《11/7 木曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=57.15(+0.80 +1.42%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1466.40(-26.70 -1.79%)
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《11/7 木曜日に発表された主な経済指標》

【豪州】
貿易収支(9月)09:30
結果 71.80億豪ドル
予想 50.50億豪ドル 前回 66.17億豪ドル(59.26億豪ドルから修正)

【ユーロ圏】
鉱工業生産指数(9月)16:00
結果 -0.6%
予想 -0.4% 前回 0.4%(0.3%から修正)(前月比)
結果 -4.3%
予想 -4.4% 前回 -3.9%(-4.0%から修正)(前年比)

【南アフリカ】
SACCI景況感指数(10月)18:30
結果 91.7
予想 92.0 前回 92.4(SACCI景況感指数)

製造業生産高(9月)20:00
結果 -2.4%
予想 -0.2% 前回 1.3%(前月比)

【英国】
英中銀政策金利(11月)21:00
結果 0.75%
予想 0.75% 前回 0.75%(英中銀政策金利)

【米国】
新規失業保険申請件数(10/27 – 11/02)22:30
結果 21.1万件
予想 21.5万件 前回 21.9万件(21.8万件から修正)(前週比)

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《11/7 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【トルコ】
*13日にエルドアン大統領が訪米、ワシントンで首脳会談を行う。

【ユーロ圏】
*ECB月報
世界的な貿易動向は引き続き抑制される見込み。
世界的に景気調査関連指標は低迷も、安定化の傾向。
リスクは下方に傾斜している。
ユーロ圏の企業投資活動は引き続き抑制、不透明感の高まりや利ザヤの低下で。
ユーロ圏の個人消費はしっかりとした足取り続ける。
データによると、雇用増は引き続きポジティブだが、緩やかになってきている。
最新の経済統計や調査結果によると、2019年下半期の緩やかな成長が示されている。

*EU、経済成長見通しを下方修正
ユーロ圏成長見通し、2019年+1.1%(従来+1.2%)、2020年+1.2%(従来+1.4%)、2021年+1.2%に据え置き。
ユーロ圏インフレ見通し、2021年+1.3%に。

*ドンブロウスキスEU副委員長
財政に余裕のある国は今それを使うべきだ。

*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
現在のマイナス金利は市場に誤ったシグナル送る。
ECBは直ちに撤廃すべき。

*独財務相
貿易問題の緊張が緩和されれば、成長は回復するだろう。

【中国】
*中国商務省
米中、段階的な関税撤回に合意。
米中が通商協議のフェーズ1で合意できれば、双方が同規模で既存の関税撤廃行うことで合意。
どの程度の範囲で関税を撤廃するのかは、交渉中だ。

*中国政府
海外投資家にとって、より魅力的な指針を発表する。
ハイテク産業における海外からの投資を奨励する。
海外投資かや企業に対して技術移転を明示的にも暗黙的にも強要しない。
金融や自動車産業をより開放する。

*新華社
中国は米国からの鶏肉輸入制限を取り除くこと検討。

【英国】
*英中銀 
政策金利を7対2で据え置き決定。
サンダース、ハスケル両委員が0.25%利下げ主張。
資産買入枠は9対0で据え置き決定。
ブレグジットやグローバルなリスクが悪化すれば、追加緩和が必要となる可能性。
秩序立ったブレグジット、世界経済の安定化はおそらく段階的な利上げ意味する

*英中銀四半期インフレ報告 
今後1年先のインフレ見通しを1.90%から1.51%に引き下げ。
今後2年先のインフレ見通しを2.23%から2.03%に引き下げ。
今後3年先のインフレ見通しを2.37%から2.25%に引き下げ。
2019年成長見通しを1.3%から1.4%に引き上げ。
2020年成長見通しを1.3%から1.2%に引き下げ。
2021年成長見通しを2.3%から1.8%に引き下げ。

*カーニー英中銀総裁
世界経済見通しは暗くなっている。
ブレグジットの不透明感が投資を直撃した。
英国とEUの合意は投資の見方を変化させること意味。
貿易関連の不透明感が世界経済の重石に。
逆風が世界的な均衡金利水準を押し下げている。
英国の成長のリスクは下方に偏っている。
消費者がより慎重になっているデータがある。
基調成長は潜在成長を下回る水準へと減速。
英中銀は新たなブレグジットの仮定として、依然よりも長い3年超の移行期間を想定。
移行期間の影響で、供給の伸びは抑制されるだろう。
供給能力の制約で英成長は限定的となりそうだ。
将来の英国の成長は、財政政策、より強い世界経済、不透明感の後退に助けられよう。

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《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
景気一致指数・速報値(9月)14:00
予想 101.0 前回 99.0

景気先行指数・速報値(9月)14:00
予想 92.2 前回 91.9

【スイス】
失業率(10月)15:45
予想 2.2% 前回 2.1%(季調前)
予想 2.3% 前回 2.3%(季調済)

【ユーロ圏】
ドイツ貿易収支(9月)16:00
予想 195億ユーロ 前回 164億ユーロ(162億ユーロから修正)

ドイツ経常収支(9月)16:00
予想 191億ユーロ 前回 169億ユーロ

【カナダ】
住宅着工件数(10月)22:15
予想 22.05万件 前回 22.12万件

住宅建設許可(9月)22:30
予想 -2.0% 前回 6.1%(前月比)

失業率(10月)22:30
予想 5.5% 前回 5.5%

雇用者数(10月)22:30
予想 1.50万人 前回 5.37万人

卸売在庫・確報値(9月)9日0:00
予想 -0.3% 前回 -0.3%(前月比)

ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(11月)9日0:00
予想 95.5 前回 95.5

山岡和雅

山岡和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)グループに入り、現在、MINKABU PRESS 外国為替情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」すばる舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香ビジネスなど メールマガジン「外国為替ディーラーの心の中」( https://www.mag2.com/m/0000094647.html )を毎営業日朝に好評配信中