FXコラム

円安効果は一過性か?

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為替コラム 記載日:2014/02/27

2011年10月にピークをつけた円高は、2012年11月にトレンドラインを割り込み、以降は円安効果により、製造業の収益が好転、物価上昇、デフレ脱却と進んできた。しかし、そのことに異論を挟まない人の中にでも、それは1年で20%ほどの円安が続いたためで、今後の円安のペースが鈍ると、製造業の増益傾向は止まり、輸入価格の上昇もストップするから、消費者物価の上昇率はむしろ今後鈍化していく可能性が高いとする人がいる。だから、円安効果は一過性で終わると言う。

一見すると、説得力のある意見だが、私の意見は違う。

円安のペースが鈍ると、前年比で見る消費者物価の上昇率が鈍ることは疑いがない。また、前年比でみる製造業の増益傾向も鈍る可能性が高い。しかし、単に前年比との比較で見るインフレ率と、企業収益とを混同していては、円安効果を見誤る。

産業を外需と内需とに大別し、円安効果をごく単純化して考えてみよう。

円安により輸出製造業の原材料コストは上昇する。しかし、最も大きな人件費などはほとんど上昇しない。一方で、外貨での販売価格は値引き販売をしない限りは変わらない。そこで、外貨の売上を円貨に直した時に、円建て売上高が2割増える形となる。現地での販売数量の減少が2割以内ならば、増収となる。増収でコストが余り変わらなければ、増益となる。これが現実に起きていることだ。

80円から100円になる過程で、こうして増益となった輸出製造業が、100円のままで来期を迎えると、他の条件が何も変わらなければ増収とはならない。人件費が多少上昇すれば、減益になってしまう。では、それで円安効果は消えるだろうか?

日本の輸出製造業は円高進行のために、常に儲からないぎりぎりのところで事業を行ってきた。赤字は当たり前で、破綻や支援を仰いだ企業も数多い。開発よりもコスト、競争よりも生き残りだった。それが、外需に関しては売上総利益が2割増えたのだ。(続きは明日)

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。