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ニュージーランドドルの重要レジスタンス

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8月11日にRBNZは政策金利を0.25%引き下げて過去最低の2%とした。このときウィーラーRBNZ総裁は、現在の見通しではインフレが将来的に目標レンジの中間付近に確実に留まるようにするために追加緩和が必要であることを示している、と追加緩和に言及した。
また、通貨高がインフレ目標達成を困難にしているとも述べたが、ニュージーランドドルはその時点の1ドル=0.72NZDからむしろ上昇している。
昨年6月から6回利下げしているが、通過高に歯止めがかかっていない。

昨日23日にウィーラーRBNZ総裁は講演を行い、8月の利下げの理由はインフレ期待にある、インフレ目標にはコミットする、ニュージーランドドルは高すぎるなどと述べた。
ニュージーランドのインフレ率は現在0.4%と低く、RBNZの目標レンジ1~3%を大きく下回っておりインフレ目標達成には追加緩和が必要なことがわかる。

一方で過去最低とはいえ先進国では高い金利を求めて海外投資家からの資金流入があり、このことがニュージーランドドルを高止まりさせインフレ率の上昇を邪魔している。ニュージーランドの10年債利回り2.1%付近で、米国の1.5%、英国の0.5%、日欧のマイナス金利と比べて魅力あるレベルにとどまっている。

一方でウィーラーRBNZ総裁は、急速な追加緩和の必要性は見当たらない、急激な緩和は成長を不安定にさせるとも述べた。急速な追加緩和を行った場合は住宅市場を過熱させる可能もあり、RBNZはインフレ率の低下と住宅価格の上昇の板ばさみになり、難しい舵取りを行っている。
結局ウィーラー総裁のコメントを受けて、ニュージーランドドルは0.73台に上昇して高止まりしている。

NZD/USD週足チャート

NZD160824

ただ0.7340~50付近は2015年5月以来の戻り高値になっており、6月以降に何度も止められているレジスタンスレベルになっている。
5月以降ニュージーランドドルは0.6970~0.7340のレンジで推移しているが、0.7340~50が上抜けできれば0.75付近、そこを抜ければ2015年4月の戻り高値0.7750付近までの上昇の可能性が高い。

一方で0.69台中盤を下抜けした場合は5月の安値0.66付近がターゲットとなろう。

YEN蔵|ADVANCE CEO

YEN蔵

シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。独立し現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 為替を中心に株式、債券、商品と幅広くマーケットをカバーして分かりやすい解説を行っている。