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イエレン発言はハト派的ではなかったが

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イエレンFRB議長の発言はバランスを考慮した発言だったと思われる。FRBが目標とする最大雇用と物価安定に米経済は近づいているとし、雇用の持ち直しで米経済は今後も拡大すると予想していると述べた。労働市場における継続的な底堅い動きや経済、インフレ動向の見通しを踏まえ、FF金利を引き上げる論拠が過去数ヶ月間で強まったと確信と述べた。

最後の部分はややタカ派的だったかもしれないが全体としては特段タカ派的だったというわけではない。しかし、事前にハト派的な内容になるのではないだろうかとの思惑もあったために、ハト派的ではなかったとの解釈が正しいのではないだろうか。
ここまでのFed高官たちの発言やFOMC議事録を見ると、内部が早期利上げと据え置きに割れている可能性が高い。その中でハト派の代表であるイエレンFRB議長が中立方向に傾いたとすれば、利上げが少なくとも年内1回はあるのではとの期待感がやや高まったことが今回のドルの上昇の原因だと思われる。

またイエレン議長の発言後、フィッシャーFRB副議長はCNBCとのインタビューで、9月に利上げがあり、年内に複数回の利上げの可能性はあるかの質問に、イエレンFRB議長の述べたことは9月の利上げと複数回の利上げに関してありうると答えることに整合性があると答えた。
ただ経済指標次第とした。

金曜日のイエレン発言後の動きで101円を抜けると、ストップを巻き込み101.94まで上昇した。今週は米雇用統計が注目されるが、ドル買いの流れが継続するものと思われる。
101円が短期的なサポートとなろう。
7月21日の高値107.50付近~8月16日の安値99.53付近の38.2%もどしの102.55付近が短期的なレジスタンスになろう。
102.50~60を完全に上抜けした場合は、50%もどしの103.50付近がターゲットになるだろう。

ただトヨタ自動車などが102円付近に社内レートを置いていることなどを含め、102~103円台では輸出勢の売りもそれなりに出てくるのではないかと予想され、雇用統計の発表までは101~103のレンジになるかもしれない。

YEN蔵|ADVANCE CEO

YEN蔵

シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。独立し現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 為替を中心に株式、債券、商品と幅広くマーケットをカバーして分かりやすい解説を行っている。