下値不安の中でレンジ内の動き

昨日の米大統領候補のTV討論会は全米で1億人以上が視聴したようで、マーケットの関心も高いために世界での視聴者数もかなりなものになっただろう。

昨晩は朝方100円付近まで短期勢が売りを仕掛けたが、100円付近はオプションにからむ買い、輸入勢の買いなどもあり100円台中盤に上昇して大統領候補討論会を迎えた。

当初健康問題が懸念されたヒラリー氏だが、鮮やかな赤の服装で現れ健康面の不安は感じさせなかった。冒頭の20~30分はトランプ氏が米国の貿易赤字や雇用の喪失に切り込み善戦したように思えたが、ヒラリー氏が無難に反撃し、後半はトランプ氏が自滅したような感じもした。トランプ氏らしい毒舌が影を潜めて彼らしさが見られない討論となった。ただCNNの調査では62%対27%でヒラリー氏優勢としたが、それほど差がついたとも思われなかったのだが。

金融市場は大きな変化を嫌うので、やはりヒラリー氏に友好的ということで、討論会がヒラリー氏優勢に傾くとドル円(USD/JPY)は101円近くに、日経平均も後場から上昇した。
ただ1回の討論会で大統領選もマーケットも決まるほど甘くは無く、今後の大統領選の行方は引き続き注目材料になろう。

マーケットは大統領選の不透明感に加え、ドイツ銀行の経営不安問題から銀行株が売られる展開が続き欧州株式の動きにも神経質になっている。

本日日経平均は300円ほど下落しているが、昨日の上昇分を打ち消し、権利落ちの下落分以上の下落となっている。やはり100円台のドル円の動きは、海外市場で株価が上昇しても日本株にはマイナス材料となっている。

100円近辺のオプション及び買いの需要はかなりあるようで、そう簡単に100円割れも難しいようだが、上値も確実に切り下がってきており101円台では売りが控えているようだ。しばらくは100~101円のレンジプレーでしのぐしかないだろう。

YEN蔵|ADVANCE CEO

YEN蔵

シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。独立し現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 為替を中心に株式、債券、商品と幅広くマーケットをカバーして分かりやすい解説を行っている。