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ドルインデックスに注目

【著者】

米大統領選挙のリスクはまだ存在しているが、為替市場はドル高になり、世界的に株価は上昇した。世界的な長期金利の上昇が株価の下落要因になるリスクもあるが、今のところ株価は大きく下落していないし、米長期金利も低下傾向となっておりリスクオフ的な動きにはなっていない。
今後は米長期金利が動きと株価の関係、ドルの動きに注意したい。

米長期金利が一旦低下しているのは株にとっては好材料だが、ドルの上昇がここから加速するのかどうかドルインデックスに注目したい。

ドルインデックスは2015年3月に100.18、11月に100.08と100付近が高値となっているために、100付近は長期的に重要なレジスタンスになっており、ここが再び高値になる可能性が高い。

ドルインデックス
(出所:Investing.com

ドル高の原因になっていたのは米長期金利の上昇だが、米長期金利はむしろ高値から反落した。10月3日には1.62%だった米10年債利回りは14日には1.801%まで上昇し、17日には一時1.814%の高値をつけた後には先週末は1.738%付近で終了した。

米長期金利の上昇の原因は12月のFOMCでの利上げが織込まれつつあること、10日の週に米国債の入札があったことなどが上げられる。また19日にはサウジアラビアが175億ドルの起債を行ったことも米国債の利回り上昇の原因となった。

ここのところのドル高をリードしているのはユーロドルだが、ドラギECB総裁の記者会見はやはり資産買い入れ期間の延長とテーパリングに質問が集中した。

1.今回は期間延長やティーパーリングに関して討議しなかった。
2.資産買い入れを突然終了する公算は小さい。
3.資産買い入れは現状では順調に機能している。
4.12月の会合で経済予測が出てくれば今後どうするかを検討するなどと述べた。

会見は総じてハト派的という印象をマーケットは持ったようで、ユーロは一時上昇したがその後下落し、ユーロクロスも下落でユーロは下落傾向になっている。
ECBのテーパリングの議論がなかったことや、3月以降の債券買い入れ継続の可能性を示唆したこともありユーロの売り加速となった。

今後ドル高がさらに加速するにはユーロや、ポンドといった欧州通貨がさらに下落する必要がある。ユーロが1.07~1.08付近、ポンドが1.2を抜けて下落するようであれば、ドルインデックスは100を超えて上昇する可能性があるが、欧州通貨がサポートされた場合は、100付近が再び高値となろう。

YEN蔵|ADVANCE CEO

YEN蔵

シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。独立し現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 為替を中心に株式、債券、商品と幅広くマーケットをカバーして分かりやすい解説を行っている。