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トランプ氏の政策はレーガノミクスになるか?

【著者】

今年はブルグジットと予想外の動きがあり、なかなか波乱万丈の金融市場だったが、最後の一撃はトランプ大統領に当選だったのではないだろうか。劣勢が伝えられたトランプ氏は見事に大統領の座を射止めた。

アジア市場では円高、株安のリスクオフの動きになりトランプショックとなった。
しかし欧米市場では株高、ドル高となりあっさり戻してしまった。
米長期金利が上昇したことがドルをサポートした。米10年債利回りは前日の1.86%から2.07%と急騰し、ドル円(USD/JPY)も105円台後半まで上昇した。

なんで米長期金利は上昇したのだろう。トランプ氏の政策を見ると、中間層向けの大規模減税、法人税の引き下げを行うとしている。ここらへんは共和党の本来の政策と一致している。上院、下院ともに共和党が過半数を取ったことで、この政策は進めやすいだろう。また減税とともにインフラ投資を行い、雇用創出を行うとしている。このあたり政策が、レーガン大統領時代のレーガノミクスに似ているという評価もあるようだ。

減税と財政支出の拡大という財政にとっては赤字拡大路線となるのでは、それを嫌って米国債が売られて米長期金利の上昇となった。ただ長期金利の上昇にもかかわらず、ダウが256ドル高になるなど株高となった。これはトランプ氏の政策が財政拡大で、経済にとってはプラス材料というところを評価しての上昇と思われる。

米長期金利の上昇はドル高をサポートするが、あくまで株価が安定的に推移している限りです。金利の上昇が急すぎて株価が下落してリスクオフの流れになれば、ドル安円高の可能性もあり、ドル円は107~108円付近が戻りの短期的な節目になるのではないだろうか。

トランプ氏の保護主義的な政策が経済にとってはマイナス材料なので、ここらへんを受けて中国に関係する豪ドルの動きも注目される。それ以外の政策が経済にとってプラス材料になれば株高が続く可能性もあり、今後の具体的な人事や政策の発表を待ちたい。

YEN蔵|ADVANCE CEO

YEN蔵

シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。独立し現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 為替を中心に株式、債券、商品と幅広くマーケットをカバーして分かりやすい解説を行っている。