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意外と減少しないユーロのロング

【著者】

昨晩は、イタリアのモンティ・バスキ銀行が増資をできないのではとの噂もあり、ユーロドル(EUR/USD)は一時1.0355付近まで下落した。イタリア政府は、19日に銀行支援のために最大200億ユーロの借り入れを承認するように議会に求める方針を決めた。
またイタリア中央銀行のビスコ総裁は、イタリアの銀行問題に関しては、イタリアや欧州の当局が全力で解決に当たっていると述べた。

イタリアの銀行の問題は巡り巡ってドイツ銀行の問題にも飛び火するので、欧州当局、ECBとしても無視できないだろう。

また今週はベルリンでのトラックによるテロ、トルコのアンカラでロシア大使の暗殺など、地政学的なリスクも燻っている。
それに加えて、米長期金利の上昇によって欧州との金利差からドル買いの流れになっている。その割にはユーロの下落スピードが遅いような気がする。

日米と日欧の金利差から見て、金融政策の違いから日本の10年債利回りが0%付近に据え置かれているという安心感からの円売りの流れが強いのかもしれない。

IMMの通貨先物の取り組みを見ると、10月以降はユーロロングが10~14万枚、ショートが20~26万枚の間で増減しておりネットの数字は10万枚前後とあまり変化が無い。一方で、日本円は円ロングは10万枚から6万枚に減少する一方で、円ショートは3万枚から12万枚に急速に増加したことが分かる。

円ショート急激の増加が一服して、ドル円が高値圏で膠着する展開になっているのだろう。またユーロのほうは意外に相場観が一方に傾かず、売り優勢とはいえ、買いがしっかりでてきてジワジワした動きが今後も続くのではないかろ思われる。

YEN蔵|ADVANCE CEO

YEN蔵

シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。独立し現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 為替を中心に株式、債券、商品と幅広くマーケットをカバーして分かりやすい解説を行っている。