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トランプ大統領スタート後の注意点

【著者】

注目されたトランプ氏の大統領就任式は無事通過した。就任演説も目新しいものは無くアメリカファーストを連呼して、対外的には保護主義的なイメージが強いものとなった。

しかし選挙戦からのトーンを踏襲もので、ある意味では想定内の内容となった。具体的な財政政策などに触れることも無かったことはマーケット的には失望を誘うものになったのかもしれない。

また、こちらは事前の宣言どおりにTPPからの離脱、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を宣言したことなどが、より具体的なアメリカファーストの政策となった。

ただいまのところトランプ政権の閣僚の承認が進まず、各省庁の人事も後ずれする可能性が高く、政策を具体的に実行する準備はまだ整っていないといえよう。

今後のスケジュールとしては、2月6日までに発表される予算教書が重要となり、ここで財政政策などを示した具体策が出てくるのかに注目される。

また、3月になると米債務の上限問題が復活する可能性があり、3月中に米上下両院予算委員会で決議案が作成され、4月中旬までにその決議案が本会議で決議されるのかどうかが注目される。

また、4月には米財務省為替報告書が議会に提出されるが、ここで中国が為替操作国として認定されるのかどうか、他の国々はどう扱われるかが注目される。中国の為替操作国認定は無いのではないかとの予想が高いが、それまでに米中両国の水面下での交渉が行われるのかどうかも注目される。

4月まではこのようなスケジュールになっており、最初の3ヶ月までに予算を中心に重要なポイントがあるのでは、まずは予算の決定ができるのかどうか、次に財務省の為替報告書がどうなるのか、NAFTAの再交渉の行方などが注目材料となろう。

YEN蔵|ADVANCE CEO

YEN蔵

シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。独立し現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 為替を中心に株式、債券、商品と幅広くマーケットをカバーして分かりやすい解説を行っている。